▼そんな中、ギィッとギルドの扉が開かれる。誰か戻ってきたのだろうか、もしくはお客さんだろうか。

皆がそれに釣られてチラリッと扉を見やる。それはラクサスもナナシも例外ではなくて。

そして扉を開けた人物を見やった瞬間、皆が驚きに染まった。


「メェーン…」

「ただいまメェーン…」

「メェーン…」


そう、そこには…何故か一夜の顔をしたジェットとドロイ、そしてレビィが、いた。


▼そこからギルドは突然の地獄絵図と化していった。

一夜化したシャドウギアに、どうした?っと心配になって話し掛けたマカオやワカバをはじめ、匂いを嗅がれた瞬間、その者たちが次々と一夜化していってしまう。


「なんだこれは…!?」

「う、嘘…!?皆が一夜さんに…!」


それを目の当たりにして、一気にギルドに緊張が走る。ラクサスは直ぐに立ち上がり、ナナシは直ぐにミラとリサーナの側に立ちはだかる。彼の後ろでミラはあまりの衝撃に口を押さえて肩を震わせた


▼「…どうやら匂いを嗅がれるとアレになるみたいだ…」

「…そうみたいだな」


アア、アア、と一夜化していくギルドの面々がゆっくりと此方に振り向き、歩み寄ってくる。

そして次々と一夜化していく様子を見て、ラクサスとナナシは冷や汗を流した。


「ぐぁああ…!?」

「エルフ兄ちゃん!!!」

「「エルフマン!!!」」


そんな中、ナナシの後ろでミラとリサーナが声を上げる。そして目の前には一夜化した人たちに囲まれたエルフマン。

それにリサーナはナナシの隣を通り過ぎ、エルフマンの元へ走り出す。

同時に「リサーナ!!!駄目よ戻って!!!」っとミラも一目散に彼女の元へ。


「ミラ!リサーナ!…っくそ!!!」

「っ馬鹿野郎!ナナシ戻れ!」


そんな彼女たちに、ナナシは意を決して仕方なく走り出す。ギリィッと歯を噛み締めて、エルフマンの元へ走る二人に続く。

その瞬間、リサーナとミラの悲鳴が谺した。






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