やっと見せてくれたね

▼「帰ろう、シキミ」


俺も、みんなも、シキミと同じ気持ちだよ。一緒にいたいんだ、話したいんだ、傍にいたいんだ。

だって、シキミのこと大好きだから。


「みんな、待ってるぜ?」


やっと自分の涙を拭い、ちゃんと彼女を見つめてやる。そして、俺とシキミの距離はあれど、そこに俺は彼女に向けて手を差し出す。

今度こそちゃんとした、君への気持ちのこもった手のひら。それを君に捧げる。


「ひっ…、ぅ…、…は、…い!!!」


この時、俺が初めて見た、彼女の…シキミの笑顔だった。


▼三歩後ろで、付いてくるシキミ。前と同じ、まだ距離はある。

けれど、その距離がこれからきっと縮まる、という確信的な希望と、大きな楽しみが俺の中で増えた。

まだまだ、これから。

俺とシキミ、互いにの距離も
気持ちも、感情も、繋がるのはまだまだ先。

それでも、俺は嫌じゃない。


だっていつ告白しようか、シキミを思い浮かべて考える時間が増えるのはとても、幸せなことだから。


「(いつか、君の側で、また君の笑顔を見せてね)」


ずっとずっと、待ってるよ。


Happy end






back


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -