呻き声を手繰り寄せ


▼ローグと二手に別れ、一人墓地を歩き進めるスティング。「(そんなに広いわけでもないから、直ぐ見つかるだろ)」なんて思いながら、うう…、うう…、っと徐々に呻き声が近くに聞こえてるのが分かった。


「ここらへんか?」


直ぐ側で聞こえ始めた呻き声を頼りに、墓石の周りをランタンで細かく照らしていく。

そして、その墓石と墓石の間に人が横になっているのを発見する。呻き声はどうやらそれから出ていて。

スティングはそれを発見してから一瞬にして顔を青ざめた


▼「おい!!?大丈夫か!?」


すかさずその倒れている人の方まで走り寄り、声を上げる。

それが聞こえたのか遠くから「どうした!?」というローグの声が聞こえるも、スティングは構わずその人の体を起き上がらせる。

そして、顔を確認してからスティングはピタッと動きを止めた。


▼「見つかったのか?」

「あ、ああ…」


少ししてから、ローグがスティングのとこまでやってくる。彼の問い掛けにスティングは、人を起き上がらせたまま苦笑いしていて。

それにローグは首を傾げたまま、スティングの腕の中にあるそれを覗き込む。

すると、黒髪で肌が色白の女の子が、何故か普通に瞼を閉じたままうう…、うう…、と呻き声を口から漏らしていて。


それにスティングは眉をハの字にしてアハハッと笑った


「この子、寝てるわ」






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