▼「塑琉奈、好きだ」


これを言うことにも抵抗が無くなってきた。というより、昔から言っていたのに途中まで何故俺はこれを言うのを渋っていたのか、と思い立ってからだ。

俺がこう言うのに、周りも慣れたもんで、むしろ五月蝿い応援ばかりを背中に乗せる。

さて、ここで問題。
こんなにハッキリと俺が言っていて、周りも背中を押している。ここで塑琉奈はどうなると思うか。


▼「うん、ありがとうラクサス!」


ニパッとまるでキラキラと星が周りに散りばめたような、眩いほどの笑顔。 同時にするりと流れるような柔い空気が俺と塑琉奈の間をすり抜ける。

その塑琉奈の笑顔に、今までは「まあいいか」っと内に溢し、また日が経つ。が、今の俺にとっては頭を抱える問題だ。


「(コイツが本気で受け止める時ってあんのかよ…)」


今日も、無意識に受け流し笑う塑琉奈に、また漏れるため息の数。

さて、どうしたものか、とまた本気にさせる作戦を頭に浮かべる。同時に、悶々と悩む自分にさえため息が漏れた


「(出来れば苦労はしねぇか…)」





▼診断メーカーより。【貴方はラクソルで『出来るなら苦労はしない』をお題にして140文字SSを書いてください。】でした。


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