▼俺はいつまで、この手を握っていられるだろう。
俺はいつまで、お前の姿を焼き付けられるだろうか。
人には必ず終わりがあって、俺らは産まれてからずっとその終わりまで歩んでいく。
きっとそれが人間にとって、当たり前の終末で。その終末までに幸せを掴むために努力をする。
けどね、俺はね。一日、一分、一秒、お前との会話を、笑顔を、愛を囁かれる度に、片隅にあった、不安がいつだって、じわりじわりと俺を支配するんだ。
死んだら、私たちはどうなるのだろうか
君と過ごした日々も、君と手を繋いだこの感覚も、体温も、温もりも…。
この何億とある生物たちの中で、俺と君が出会った奇跡も
死んだら、もうそれで終わりだなんて…嫌なんだよ。
「…死ぬのが、怖いよ」
俺はただ漠然と、そう呟いた
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