椿ちゃんが先天性の女体化・放尿・隠語使用等の表現があります。
苦手な方はご注意下さい。










『俺とチュウさんの発明は最早一般人の活動のレベルを越えている。その手の企業で一儲けどころかノーベル賞を貰ってもおかしくない。只の一教師と生徒にしておくのは惜しい人材だと思わないか?んん?』
「なんなのだ。いきなり自画自賛をして」

笛吹がそう語るのは、昼休みのスケット団の部室だ。新緑が眩しい季節になり、椿は重いブレザーを脱いで学校指定のベストとシャツという姿でソファに腰掛けていた。向かい合わせに笛吹が座り、いつも通りパソコンをカタカタと鳴らしている。今日はお馴染みのリーダー藤崎と紅一点鬼塚は不在だった。

「今日は一体なんの用なんだ」

生徒会役員である彼女は、以前はよくスケット団ともめていた。真面目で規則を重んじる椿からしたら、自由奔放なスケット団は水と油の関係だったのだ。しかし去年の文化祭、椿と藤崎が生き別れの兄妹とわかってから関係は変化した。椿の態度はまだ堅いところはあるものの、随分丸くなったように思われる。スケット団の部室にも度々用を作って訪れるようになった。
しかし今日は笛吹に呼び出され、珍しい組み合わせの二人組になったのだ。
何かと思って行ってみれば自慢話が始まり、椿はうんざりした顔で出されたお茶を飲んだ。

『うむ。今日は互いの科学と化学の相互関係によって生まれる新しい発明というか効果を試したくてな。それが椿にしか出来ないんだ』
「試す?僕で?」

椿はゲッと顔をしかめた。二人の発明は確かに凄いものだ。ただ、いい結果を見た試しがない。
子供になって事件に巻き込まれたり、変な機械を身につけたまま動けなくなったりと、悪い噂しか聞かない。真面目な椿からしたら彼等の奇抜な発明は理解し難く、ソファの上で後ずさった。

「悪いが断る」
『なんだ?我が校の生徒会長さんは生徒が困っているのに見捨てるのか?んん?』

無表情なくせに態度は挑発的だった。会長や生徒の頼みなどと単語を前に出されると、途端に彼女は沸点が下がる。カッとしながら身を乗り出し、机を思いっきり叩いた。

「にゃんだと!そんなことはにゃい!!」

笛吹は怒鳴られても冷静なまま見つめ返した。

『ほら、その猫口調。今回の実験はそれが鍵なんだ』

椿の顔から途端に覇気が抜け落ちる。

「……はあ?」

椿は以前に修学旅行で、ちょっとした手違いで中馬が発明したサイミンという薬を飲んだ。この薬はその名の通り、催眠薬である。薬を飲んで強く自分を何かと思い込むと、催眠状態に陥るという代物だ。最初は人格が入れ替わる薬で双子を入れ替えようという悪ふざけから始まった。しかしイレカワールを実際に飲んだのは藤崎と鬼塚で、椿がサイミンを飲んだ。最初入れ替わると考えた椿は自分を兄の藤崎と思い込み、それから戻ろうとした時に猫になってしまったのだ。
色々あったが修学旅行から帰って解毒剤を飲み、全ては終わったように見えた。

『しかし最近でも度々猫口調が出ている。それは大概怒ったり興奮している時だ。もしかしたら催眠が解けても椿の精神に根強く残っているのかもしれない』
「だからどうした。もう昼休みが終わるから帰るぞ」

椿はお茶を飲み干し、腰を上げた。

『そう言われると思ってお茶に仕込んでおいた』
「…は?お茶?」

椿は自分に渡されていた湯飲みを見た。
途端に体がドクンと大きく脈打つ。体温が下腹部から這い上がり、倒れるようにソファに寝そべった。

「一体何を…」
『チュウさん発明の淫れ桜だ。人格が変わるまでの量は混ぜてないが、媚薬効果はある』
「びや…」

昼間の学校でなんて物を飲ますんだ。椿は怒鳴ろうとしたが、声もうまく出ない。自分の熱い吐息で頬を擽った。

「…ん、んぅ…」
『効果はバッチリのようだな』

笛吹はパソコン持ったまま移動し、椿に覆い被さった。
彼女のきっちり着込まれたシャツから出ている首は赤くなり、胸は上下している。ブリーツのスカートは乱れてすらっとした足が剥き出しになっていた。
笛吹はそこに手を這わせて下から上へと撫でた。

「んっ…」
『強い興奮は別に怒りじゃなくてもいい。そこで俺の出番というわけだ』

撫でていた手を離し、ごそごそとポケットを漁る。そこから取り出したのは親指サイズでピンク色の、ローターだった。
椿はそれを見て疑問符を顔に浮かべた。性の知識が浅い彼女には、これがどういう用途で使われるかわからないらしい。

『なんの発明だって顔だな』

笛吹は椿のスカートを捲り、下着越しの秘裂にローターを押し付けた。腰を引く前に根元のスイッチを入れる。途端に彼女の下着の上でブブブと音を立てた。驚いた椿は慌てて足を閉じた。

「…っ!な、何……」
『これを膣に入れて興奮を煽るんだ』

火照りながらも、椿は眼差しに軽蔑を込めた。ローターを持つ笛吹の手を押し返そうとするが、男女の腕力の差に媚薬効果もあって全く退ける事が出来ない。

「…君の発明なのか、それは」
『勿論だ。一般に売っているものと違い、他にはない機能を備えつけている』

笛吹は自慢気に声を弾ませたが、椿との温度差は開くばかりだ。
それでも抵抗の一つも出来ないまま、椿は笛吹に下着を奪われた。するりと太股まで下ろされ、既に捲られたスカートから性器が露になる。昼間の明るい部室で否応なしに見られ、椿は赤面した。

「駄目…やめて」
『だが断る』

何故か無性に腹の立つ言い方だった。笛吹は無表情ながらもウキウキとしたのを隠し切れずにいる。

『13時15分、お茶に淫れ桜を混入し飲用。五分後に媚薬効果を発揮。効果は上々。ちなみに下着は白…と』

カタカタとパソコンを叩いている。発明の為と言っているが、どう見ても楽しんでいた。
入力が終わると膣の入口付近を指でなぞった。普段キーボードを打つ指先は固く、器用にそこを弄んだ。既に濡れそぼっている谷間に指を上下へ動かす。そこから蜜はだらしなく滴った。

「や、あ…」
『触る前から濡れているとはとんだ淫乱だな。本当に媚薬のせいだけか?』

右手でパソコンを扱いながら饒舌に語り、左手はローターを握ったまま性器を弄り回す。両利きとは便利なもので、椿は言葉と指で同時に犯された。

「んん…笛吹、やめ……」

笛吹は陰核の皮を剥き、そこにローターを押し付けた。秘裂に挟んで再び電源を入れる。微弱な振動がクリトリスを震わせる。繊細なそこには十分に強い刺激だ。
椿は背が反って弧を描いた。

「にゃあ!ゃっ…うしゅい……」
『やはり強い刺激を与えると猫の部分が出てくるな。データに書き込んでおこう』

笛吹は再びデータ入力の為にパソコンに視線を落とす。事細かに椿の変化を打ち込んでいる最中に、チャイムが響いた。淫猥な空気の中の鐘は間抜けなもので、自分達が授業を控えている生徒だと思い出す。笛吹は小さく舌打ちし、ローターの電源を切った。

『昼休みが終わってしまっては仕方ないな』

椿はほっと息をついた。媚薬はまだ効いていて力が入らない。それでも学生の本分である学業の為に体を起こそうとする。しかし笛吹は挟んでいたローターを膣の中へ差し込んだ。濡れていたそこはあっさりと侵入を許す。椿が強い刺激に体を丸めると、笛吹は太股に引っ掛けていた下着を履かせた。てっきりやめるだろうと思っていた椿が不安げに見上げる。

『では今からシチュエーション別にデータを取っていこうか』
「それって…」

笛吹は椿の腕を掴み、力ない彼女の上半身を起こした。

『授業中も実験を続けるぞ』

笛吹は当たり前と言わんばかりだ。椿の火照った顔がサーっと青ざめる。
文句を言おうと口をパクパクさせた。しかし笛吹はそんなことは気にも留めず、もたつく椿の腕を更に引っ張って立たせた。そのせいで中に入っていたローターが角度を変えてグリンと回る。

「……っう」
『おっと、言い忘れていたがそのローターは直接ボタンを押さなくても遠隔操作でオンオフ、バイブの強度変更も可能だ。授業中もどのタイミングで押すかは言わないが、肝に命じておいた方がいいだろう』

笛吹はポケットから今度は小型のリモコンを出した。煙草の箱サイズのもので、いくつかのボタンに短いアンテナが一本生えている。
膣にローターを入れ、授業中いつくるかわからない刺激に怯えなければいけない訳だ。一服盛られ、黙って従う義理は椿にはなかった。笛吹の腕を振り払い、距離を取って壁に凭れた。

「誰がそんな実験に付き合うか!こんなもの…」

椿はスカートの裾から手を入れ、自分の中に居座る物を抜こうとした。しかし笛吹がその手を止める。
至近距離で顔を覗き込まれたが、椿は強く睨み返した。

「手を離せ」
『やめた方がいい。ローターの抜き差しをする時はいつも自動で指紋認証をしているんだ。俺以外の誰かが勝手に抜くと、ちょっとした仕掛けが起きるようになっている』
「仕掛けって…」
『それは言えないな』

笛吹が手を離すと、椿はだらりと下げた。
指紋認証だなんて、そんな高度なセキュリティシステムを高校生が作れるのだろうか。椿は以前に一度、捜し物を探す為のロボット紛いの機械を思い出した。あんな物を普段から作るのだ。指紋認証も訳ないかもしれない。
それより気になるのは仕掛けの事だ。一体何が起こるのかと考えると、頭が痛くなってくる。命に関わったり怪我したりはしないだろうが、ろくなものではないだろう。内容がわからないと想像だけが先走り、不安になってくる。椿はスカートの裾を握りしめて床を見つめた。
笛吹はというと、いつのまにかもう部室を出ようとしていた。

『ちゃんと実験に付き合ってくれたら外すと約束しよう。とりあえずは授業だ』

二度目のチャイムが鳴る。先程のが予鈴で今度は本鈴だ。きっと授業はもう始まっている。笛吹は椿を置いて一人そそくさと教室に向かった。

「………くそ!」

椿も教室に向かう。しかし足を動かす度に中のローターが揺れて、椿はもたもたしながら廊下を歩いた。



「…すみません。遅くなりました」
「おお。珍しいな椿」

ぜーぜーと息を吐きながら戸を開ける。昼一番の授業は化学だ。
椿は黒板の前に立つ担任を睨んだが、向こうは気付いていない。多分中馬はこの実験に関わってないのだろう。いつも変な実験をして主に藤崎が被害を受けているが、今回は教師が関わる内容ではない。それでもサイミンだの淫れ桜だの訳の分からない発明のせいでこうなったのかと思うと、椿はつい恨みがましい目付きになった。

「よう椿、生徒会長さんが授業に遅刻かよ」

席に向かうと、腕を組んでニヤニヤする藤崎と目が合った。椿の席は窓際の後ろから二番目の席だ。後ろには藤崎、その横に笛吹、隣には鬼塚がいる。うるさい集団に囲まれ、椿はいつも迷惑していた。授業に集中すればいいのに、こそこそ手紙を回したり小声で話したり、何度も席替えを頼んだが無駄だった。まさかこいつらも一枚噛んでいるのだろうかと思うと、目付きは益々鋭くなる。

「なぁ、腹でも下したのかよ」

ニッシッシッ、といつもの調子で笑い飛ばしている。
呆れていると鬼塚が「妹にデリカシーのないこと言うな!」と突っ込んでいた。この口振りからして、二人は関わってないようだ。よく考えたら流石に妹や同じ女が、こんな目に遭うと知って放っておかないだろう。椿は藤崎の頭を一発殴り、席につこうとした。

「いって」
「昼間から下世話な質問をするな。これだからスケット団は…」

言い掛けた途端に、膣の中のローターがビィィンと震えた。不意打ちのそれにへなへなと椅子に座り込む。

「……っは」

一瞬だったがさっきより強い振動だった。椿はチラッと笛吹の方へ振り返る。
彼はノートを取りながら、左手には例のリモコンを持っていた。一回ちらつかせてからまたポケットにしまっている。
遠隔操作は十分に機能しているということだ。椿は気丈を振る舞って黒板の方へ向いた。

「教科書の32ページ開け」

化学式が癖のある字でつらつらと綴られる。いつくるかわからないとなると、緊張し通しだった。そもそも振動などなくても、媚薬が効いている状態でローターが入っているのだ。体は疼いて息が荒くなるのを必死に抑える。教師の声など入ってこず、窓から差す暖かい陽射しも鬱陶しいだけだった。



神経をすり減らしながら、もう三十分が経とうとしていた。授業の半分は終わっているが、最初の一回からは何もない。リモコンが壊れたのか、それとも笛吹が真面目に授業を受ける気になったのかもしれない。それなら残りの時間を耐えれば、次の休み時間にどうにか抜いて貰えばいい。誠意を持って話せばきっとわかって貰える、と椿が決意した時だ。まるで心でも読まれたかのようにローターのスイッチが入った。

「……っぅ!」

今までで一番微弱だが体が強張る。膝を擦り合わせ、早く終われと心で悪態をつく。しかし今回は中々やまなかった。しつこく膣を犯し、悔しくも愛液が下着を濡らしていく。ペンを持つ手はガクガクと痙攣した。

「…っ、は…」

弱い快感が続き、次第に強張っていた力が抜けていく。

「……ん」

慣れてきて体は更なる快感を求めていた。背を丸めて息を吐く。子宮の奥から望む欲に、スカートの上からそっと股を押さえた。

「誰だ?さっきから携帯鳴ってんぞ。電源切っとけよ」

中馬のめんどくさそうな声にハッと我に返る。
バイブが椅子に振動した音を携帯だと勘違いしたのだ。クラスメイトがそれぞれの携帯を確認している。これ以上は不審に思われると考えたのだろう、笛吹はやっと電源を切った。

「……はぁ」

ノートに走らせていたペンがぐしゃぐしゃになっている。今はなんとか正気を保てたが、もし皆の前で猫に戻るような事態に陥ったら―椿は恐ろしさで体を抱く。
とりあえずノートのペンを消そうとした時、彼女は後ろから藤崎に肩を叩かれた。なんでもない接触に、ビクンと体が跳ねる。

「うわ、なんだよ。大袈裟だな」

藤崎は驚いて手を引っ込めた。

「う、うるさい!なんだ授業中に…」

首だけ振り返ると、肩越しに紙屑を放り投げられた。目の前を掠めて椿の机に落ちる。それはルーズリーフの切れ端を丸めた物だった。

「スイッチから」

フン、と鼻を鳴らしながら前を向く。ぐしゃぐしゃになったそれを広げた。

『約五分間レベル1の振動を続けてみたが、体の変化はどうだろうか?データに書き込みたいから返事を頼む』

丁寧な字で、横にはお粗末な似顔絵を描いてある。丸い輪郭と目だが、髪型から察するに椿だろう。非常事態と似顔絵がミスマッチで、椿は無性に腹が立った。同じ紙に「愚か者!」とだけ返事を書き、藤崎を通さず丸めて投げつけた。真っ直ぐな軌道は笛吹の額にクリーンヒットする。彼はそこを押さえ、左手には例のリモコンがあった。椿はヤバい、と肩を竦めた。

「何遊んでんだボッスン、椿。お前ら前に出てこの問題解け」

黒板には例題が二問書いてあった。

「えー!?俺じゃねえよ、スイッチが…」
「うるせぇ。さっさとしろ」

有無を言わさない言葉尻を強めた言い方だ。中馬は隅に置いていた教員用の椅子に腰掛け、腕を組んでうつらうつらしている。
藤崎はぶつぶつ言いながら黒板の方へ向かった。椿もそれに続く。立ち上がるのも辛く、恐る恐ると席の間をすり抜けていく。
黒板の前に立つと、背中にクラスメイトの視線を感じた。皆知らないと言えど、約四十人の視線は痛く刺さり落ち着かない。授業が終わるまで後二十分。
早く終わらそうと汗ばむ手でチョークを持つ。しかし隣にいた藤崎がずいっと顔を覗き込んでくる。椿は上半身を引きながら首をすぼめた。

「な、なんだ?」
「全然わかんねーんだけどさあ。なぁ、わかる?」

藤崎は手で口元を押さえながら、椿の耳にヒソヒソと話し掛けてくる。椿は吐息すら擽ったく、耳を押さえてキッと兄を睨んだ。

「君はこれくらいの問題で…」
「だって急に当てられたからさー。お前のせいでもあるんだし。な、ヒント!」
「うるさい!君が普段からちゃんと勉強していればこれくらい解ける問題だ!」

椿が言い返せば、藤崎もカチンとこめかみをひくつかせていた。二人はついいつもの調子で喧嘩を始める。問題をほったらかして、左右対称で怒鳴りあった。
周りは「双子の喧嘩だ」と止めるどころか微笑ましく眺めていた。授業中の静かな緊張感はどこか、今は兄妹を中心にクラスは騒いでいた。椿も僅かの間だけ、笛吹の実験の事を忘れた。しかし今まで微動だにしなかったローターは、思い出したように動き出した。

「……っ!」

足を閉じて靴の中で爪先を丸める。
今までで一番強い振動だ。ビィィン、と子宮を通り越して内蔵まで震える。結構なバイブ音だが、この騒ぎに乗じて電源を入れたのだろう。椿は押し黙り、双子の喧嘩は終わっていたがそれぞれに談笑している。
横にいる藤崎は気付いていないのかと、盗み見る。向こうは椿を不審そうに見ていた。

「なんか顔色悪いけど…あ、もしかして偉そうなこと言って実はお前もわかんないのか?」

的外れな意見に、椿はバキッとチョークを折った。黒板を伝って白い粉がパラパラと落ちる。

「貴様と一緒にするな、愚か者…」

もう頭はぼんやりとしていて、いつ意識を失ってもおかしくない。愛液は太股に伝い、床に零れそうだ。もし漏らしているところを誰かに見られたら―しかし振動は一向に治まらない。後ろの笛吹を見ると彼はリモコン片手に椿達を見ていた。もう片方の手で、先程愚か者と書いて突っ返した紙屑をヒラヒラさせている。椿は嫌な予感しかしなくて、教室から逃げ出そうとした。
しかしそれより早くスイッチが押される。それは中で質量を増し、椿の一番弱い場所を責めた。

「………っん!!」

唇を血が出るくらい強く噛み、どうにか大声が出るのを抑えた。その代わりに膝が耐えられず、床に座り込んだ。気付かれていないが、クラスの皆の前でいってしまった。眼球に涙の膜が張り、ポロポロと生理的に落ちていく。ローターは止まっていたが、痙攣が止まず、椿は立ち上がれないでいた。

「おい、椿。どうしたんだよ」
「……にゃんでもない」
「にゃ?」

しまった、と口を押さえる。
快感に蝕まれた体は勝手に猫の部分を引き出そうとしている。例え何が起ころうと、ローターを抜くと椿は決意した。震える膝を支え、トイレに行こうと立ち上がる。

「先生…すみません。気分が悪いので少し授業を抜けます」
「おお?大丈夫か?保健委員は…」

中馬の船を漕いでいた頭が、クラスメイトから保健委員を探しだそうとしていた。名乗り上がる前に椿はドアへ向かった。

「いいです。一人で行きます」

何も知らないクラスメイトの心配そうな視線を後にし、フラフラと教室を出ていった。
トイレは廊下の突き当たりだ。あと数十メートルもない。すがる雛のように覚束ない足取りで目指した。

「ローターを抜いて、媚薬が冷めるまで保健室で寝よう…」

しかし背後からカツカツともう一つの足音が聞こえる。
追いかけてきたのは笛吹だった。椿は恐怖で背筋に冷や汗が流れた。

「……笛吹!なんで…」
『実は俺は保健委員なのだ』
「嘘つけ!」

走る力などないが、最後の気力を振り絞って女子トイレに駆け込む。流石に男子がこんな場所まで入った来ないだろうと、タカを括ってドアを閉めようとした。しかしあと数センチというところでガッと手を掛けられた。まるでホラー映画だ。お互いにドアを引っ張りあう。しかし媚薬の効いている体は、またもや敵わず侵入を許した。笛吹は後ろ手でドアを閉め、二人は向き合う形になる。椿は潤んだ瞳で見上げた。

「…もう嫌だ。これは抜かせて貰う」
『ほほう?やれるならやればいい』

止めるかと思いきや、余裕の態度で見下げている。そのクールな表情が腹だたしく、椿は舌打ちした。
見られるのは癪だが、こんな物に悩まされるのも勘弁だ。スカートに手を入れ、下着をずらす。そこはすっかりびしょ濡れになっていた。

「……ぅん」

膣に指を入れると、嫌になるくらいねっとりしていた。少し奥に埋まったそれに触れて、一気に引き抜く。

「……うぁっ!?」

ローターの先端から液体が飛び出した。まるで射精のようだが、それは冷えていた。ブルッ、と身震いしながらローターを落とす。愛液にたっぷり濡れたそれは床の上をコロコロ転がった。

「…はぁ…何か出たけど…、一体なんの仕掛けを……」

床を転がったそれは、ナメクジでも這ったようにぬらぬらと光っている。笛吹はローターをトイレの角に蹴飛ばした。

『すぐにわかる』

また媚薬の類いかと椿は訝った。しかし昼休みの淫れ桜はまだ十二分に効いている。
ただ驚かすだけの物かと考えたが、確かに効果はすぐに現れた。

「…くっ、…は…?」

膣でも子宮でもない。別の場所が疼いている。近くて似ているが違う、刺激を受けたのは膀胱だ。つまり、無性にトイレに行きたいのだ。

「これは……」
『利尿作用のある薬だ』

平然と言ってのけた。椿は羞恥も構わず、もじもじとスカートを押さえた。少しでも気を抜けば、漏らしてしまう。入口付近まで下がっている尿を、なんとか堪えているのだ。
すぐ後ろに目的の物があるのに、目の前の人物が邪魔で仕方なかった。

「…出ていってくれ」
『だが断る』

もう怒る気も湧いてこない。
椿は隅に追いやられたローターを横目で見た。まさかそんなものを仕込んでいるとは思いもしなかった。その発明をもっと別に活かせないのか。考えても仕方なく、とにかくどんな手を使っても出て行って貰わなければいけない。
椿は蓋の開いた便座に座り、赤く腫れた目の縁を細めた。

「……笛吹、お願いだから。頼む」
『駄目だ』
「なんでもするから…その、これだけは見ないで……」

出て行って貰いたいが為に、つい口を滑らせた。しかし笛吹はそれを聞き逃さなかった。眼鏡の奥の目が光る。

『ほほう?なんでもするのか?じゃあ付き合って貰うか』

笛吹はベルトを外し、いつの間にかいきり勃った陰茎を彼女の眼前に突きつけた。

『舐めて貰おうか。俺をイかせたら出て行こう』

薄い唇に亀頭を押し付ける。椿は顎を引いた。

「あの、トイレが終わってからじゃ…」
『駄目だ。こっちが先だ』

笛吹は椿の頭を掴み、無理矢理口に捩じ込ませた。口いっぱいに開かれたそこに陰茎が喉を突く。押し返したくても頭の力が強く、それは舌の上を滑った。
拒否も出来ぬまま、膣口を締めながら口をすぼめる。

「んっ…ふ、う…うん……」
『そんなのじゃイけないぞ。それとも漏らす所を見せてくれるのか?』
「……っん」

どちらかに集中するとどちらかがおろそかになる。そうするといつまでも終わらない。いや、椿が根を上げるのが先だろう。彼女は最早限界ギリギリなのだ。
慣れない口淫を必死に続けた。

「ふぅ、ん……にゃあ…」

口に含んでいたそれを懸命に舌を這わす。稚拙な動きに、笛吹は掴んでいた頭を揺さぶった。無理矢理抜き差しされて唾液が落ちる。息をしようとすると高い矯声が漏れた。

『猫の部分が出てきたな。口でして興奮してるのか?』
「そんなこと…にゃい」

椿は口をもごもごさせながら涙目で睨んだ。

『くわえたまま喋るとは余裕だな』

笛吹は頭の手を離し、彼女のベストの下に潜り込ませた。セーラー服の上から胸を揉みしだく。
元々媚薬で快感を欲していた体は刺激を貪った。椿は膀胱が震えるのを感じた。

「うにゃ!うしゅいダメ…!」
『なんでだ?』

椿は舌先を伸ばしたまま口を離した。唾液とも先走りとも判断つかない液体が二人を繋ぐ。
それは容易く途切れ、彼女の白い太股に垂れた。

「こんにゃのやにゃ…」

椿にもし耳でも生えていたら、怯えて下がっているだろう。笛吹は相変わらず無表情なまま、手に収まっている胸にぐっと力を込める。下着を剥ぎ、胸の頂を引っ掻く。

「にゃあ!」

椿が大きく仰け反り、座ったまま体が崩れそうになった。笛吹は胸に伸ばしていた手で肩を抱いた。

「うしゅい…やめて……」
『イかせたらやめると言っただろう』

椿はなんとか再び陰茎に舌を持っていった。ペロペロとそれこそ猫がミルクを飲むみたいにしている。笛吹はベストの下でツン、と主張しているそれを捻った。椿の足はもうガクガクと痙攣し、腰まで所在なさげに動いていた。

「もう、駄目…おしっこ出ちゃうよぉ……」

椿は座ったまま蹲った。靴の底でタイル床を踏む。
笛吹は顎を持ち上げ、一気に奥まで貫いた。熱くなった口腔を往復する。えづくことも許されず、椿は口を性器のように扱われた。

「うん、ダメ……」
『出せばいいじゃないか。俺もそろそろ限界だ』

最初に一回、ぴゅくっと尿が飛び出す。そうなると塞ぎ止めていた防波堤は一気に崩れ、ぶつかる水音を立てながら大量の尿を漏らした。

「…にゃあ!ぅぁぁ!!」

椿が叫んだのと同時に、笛吹も欲を吐き出した。ずるりとペニスを引き摺り出す。彼女は長い間我慢していた分、まだ尿を出している。最後の方はやっと勢いがなくなり、一滴溢して止まった。

「…う、はぁ…」
『下着をつけたまま漏らしたのか。随分と行儀が悪いな』

椿はトイレに凭れたまま、虚ろな目をしていた。

「…ごめんにゃさい」

笛吹は感心したように、元の自分を保てられていない椿を眺めた。

『従順だし猫語も続いている。実験は成功か』

早速今まで起こった事を入力していく。科学と化学の融合。キーボードを打つ手もリズミカルになるが、笛吹はふと手を止めた。
実験は無事成功したが、猫から戻す方法を考えていなかったのだ。しまった、と顔が青ざめる。

「……うしゅい」

呼ばれた方を見ると、椿は便座に座ったまま汚した下着を脱いだ。細い足を抜け、靴下にも尿がかかっている。濡れて重くなった下着は床に放られ、べしゃっと音を立てた。虚ろな目はいつの間にか情欲を掻き立てるような、とろんとした目付きになっている。
椿は膝を立てて足を開いた。

「……うしゅい、して?」

濡れた花弁はヒクヒクと誘っていた。
笛吹はやれやれと息をつく。

『…とりあえず媚薬さえ切れたらもう少しましだろう』



笛吹は実験に付き合わせたお詫びに、椿に付き合うことにした。










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卯月さんに相互イラストを頂いたお礼に、相互小説を書かせて頂きました!放尿椿ちゃんでktkr!とテンションが上がり…しかも「卯月さんだからスイ椿書いてみようかな…あと女体化。これは外せないな…」と勝手に判断したらひっどいことになりました!!

すみませんでしたーあああ!!!


椿ちゃんもスイッチも誰だこいつ状態ですみません。でも書いてて楽しかったです!


これからも更新がんばって下さいませ!(^∀^)