意地悪とシンクロの続きになります。





あれから2週間。
久しぶりにしたあの時間を、まだ体は引きずっていて。
逆に、我慢していた欲求は増してしまった。

あの日。
結局あの後は行為の疲れで眠くなり、少しの間会長に腕枕してもらい体を休めるために密着して眠った。

「会長あったかい・・・」

自然に漏れた言葉に胸がむずむずして恥ずかしくなったけど、その言葉を聞いて会長は僕を抱きしめる腕を強めてくれた。
夕方、玄関で別れを告げ、キスをした。
次に会うまでの分と言って、長く深くしてくれて、会長が出て行った少し後も、キスの余韻が残っていた。

会いたい会いたいと思って、一度会ってしまったから。
また会いたいという気持ちが抑えきれない。
こんなに頻繁に連絡したら迷惑のような気がしたけれど、それでも自分の欲は正直で。

僕は学校も終わり用事が入っていてもさすがに家にいるであろう夜の10時頃に、会長に電話をかけた。
あいかわらずコール音が鳴っている間は緊張してしまう。

「よお、どうかした?」
「あ・・・」
たった二週間前の声がこんなにも懐かしい。
「椿?」
「すいません・・忙しかったですか?」
「いや、暇だけど?なんだよ、かまって欲しくて電話してきたのか?」
相手のからかう声が向こうから聞こえる。
その質問に僕は正直に「そうですけど・・・」と答えた。
「ふーん。椿、今どこにいんの?」
「え?普通に家にいますけど・・・」
「ベッドの上?」
「なっ・・!」

なんでこの人は・・・
電話の先からでも束縛されるなんて・・・。

「あたり?」
「はっ、はい・・・」
「わざわざこんな時間に電話かけてくるとか可愛い奴。今寝間着か?」
「そうですけど・・・。」
「へぇ・・・」
「あ、あの・・・」

「脱げよ。」
「は!?」

「言っただろ。いつでも声で抱いてやるって。」
「会長・・・」
「部屋の明かりも周りの音も全部消せよ。俺の声だけに集中しろ。・・・できるな?」

「はい。」


暗闇と静寂の夜。
一人ベッドの上で携帯を握りしめた。


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