「脱がすぞ。」 「はい・・・」 向かい合った状態でボタンを丁寧にはずされると肩から後ろへゆっくと脱がされるこの感じですでに心臓が破裂しそうだった。 上だけ脱がされた状態でしばらく相手に見つめられる。 「ないな・・・」 「え？なっ・・何がですか？」 「傷とか痕とかよ。」 「・・・っ！」 「俺と離れてる間何もなかったみたいだな。よかった。」 「わっ・・・！会長！？」 会長の顔がだんだんと鎖骨に近くなり、その下らへんに小さな痕が残される。 「お前見えるとこだと嫌がるだろ？本当は首につけてやりたいんだけど。」 意地悪に笑う会長。 でも、それに対する僕の気持ちは… 「いいですよ。」 「へ？」 「くっ・・・首でもいいですよ？」 「椿・・・」 「僕はいつでも上までボタン止めてますし、ぎっ・・ギリギリの位置なら・・」 目で誘うと、会長はすぐにそこに唇を置く。 「んうっ・・・」 ちゅっ・・と軽い音を立て、何度かその周辺を吸い上げられた。 「・・・ほんとにつけちまった・・。言っとくけどすぐになんてとれないぜ？」 「わかってます。」 「もっと、つけといていいか？」 「いくらでも。」 それから再び押し倒され、腕に、脇腹に、腰に。 キスの雨が降る。 それら一つ一つがこの人からの束縛のようで。 「椿、どっちがいい？」 「え？」 「俺の顔見えてた方がいい？それとも背中越しの方がいいか？」 顔は・・見てたい。 でも。 今は体を満足させる方が優先だった。 「では・・うっ・・後ろで・・」 それに、背中から抱きしめられる方があったかいし、その人を感じられる気がする。 「ん。じゃあ後ろむけ。」 言われて後ろを向くと、すぐに腰をもちあげられる。 久しぶりの体制にドキドキする。 会長の指は僕のベルトへと移動し、カチャカチャと器用にそれを外していった。 「ベルトの金属音ってエロいよな。」 「え？」 「そう思わねえ？」 後ろから聞こえる会長の声。 「あ・・あの・・」 「つばきぃ・・・こたえろよ・・」 長い指がゆっくりと下着の中に入ってくる。 「ひゃっ！！」 「こんな濡れてるのによくそのままにしといたなお前…そんなに構って欲しいなら早くいえよ。」 「わかってたじゃ・・ないですかっ・・！」 中で動き始めた指のゾクゾクする感触に耐えながら言うと。 「それでも、お前の口から聞きたいだろ。」 「・・・！！」 「欲しい欲しいっておねだりされればこっちだって気持ちいいし。」 「すっ・・・すみません・・・」 「謝んなって。可愛かったし。」 「あっ・・やっ・・！！」 会話の最中に自身を少し強めに握られ思わず嬌声がもれる。 ぬるぬると先走りが相手の手を汚し、中もどんどんきつくなる。 「会長っ・・！服・・脱がして・・」 「ん。」 すぐに下着ごと膝まで脱がされて楽にしてくれる。 「お前のことだからーどうせここらへんに・・・」 ベッドの引き出しからあたりまえのようにローションを探し当てる相手。 「ほらあった。」 ゆっくりと上から生ぬるいローションをたらされる。 指で綺麗にのばされるのだがそれが逆にじれったい。 早く挿れて欲しいのに。 「早く・・・」 気が付けば口から洩れていた。 「ん？今・・なんか言ったか？」 聞こえなかった・・にしては嬉しそうな声音。 悔しいけど。 「早く欲しいです。」 欲にはさからえなかった。 「力抜け。」 その言葉を聞いて頷く。 「あっ・・・うっ・・・・」 何か月ぶりの性行為だろう。 それでも体はすんなりと相手を受け入れる。 相手が全て挿入ってきたことを確認すると高熱で体が蕩けそうになる。 久々に繋がった。 「動くぞ。」 「あっ・・・！！」 欲しかった時間。 体全体で受け止める。 「会長・・・！会長っ・・大好きっ！！」 止まらない感情は加速して言葉になる。 「俺も好きだよ。」 体と共に心も満たされていき、僕はシーツの上にすぐに欲をまいた。 「けっこうたまってたのな。もっとお前から連絡してこいよ。」 「いいんですか？」 「あたりまえだろ。」 「でも、会長は忙しいですし」 「繋がらなかったら絶対に折り返しその日中に電話してやる。」 「はい・・・」 「そしたら・・・ま、これから会えないときは電話越しにかまってやるよ。」 「でっ・・・！え？」 「つーばきっ！」 「わっ！！」 前からぎゅっと抱きしめられる。 「声だけでお前を抱けるように俺も努力する。」 体だけじゃない。 心で抱く、抱かれる。 それが僕らの繋がり。 ------------------ 左の腕章の椿さとみ様から、一周年記念の小説を頂きました！ 「Hしたいと思ってる椿ちゃんに気付いてるけど無視する安形さん」と、自重しないリクエストにこんな素敵な小説を……！ そわそわする椿ちゃんに素直な椿ちゃんがとっても可愛いです(^///^) さとみさん、この度は本当にありがとうございました！ そして一周年おめでとうございます！これからも頑張って下さいませ(^∀^) |