マサラタウン



久しぶりに故郷であるマサラタウンに帰ってきた。
途中、幼馴染みの家を通り過ぎたが絶対に二人はいない。

……今、二人は何してるのかな。


「ただいま、お母さん」

「あら、お帰りなさい」


一年ぶりに見た玄関の扉を開く。
そして、久しぶりに口に出した言葉を言えば、お母さんが返事をしてくれた。


お母さんは一年ぶりに帰ってきた私をリビングに招き入れ、飲み物を持ってきた。
私は目の前に置かれた飲み物が入ったカップに口を付ける。


「あ、そういえばプレゼントしたいものがあるの。ほら」

「……これって、ポケギア?」

「そうよ」


私はお母さんからポケギアを受け取る。

電源を付けてみると、上画面には現在の時刻と日にちが表示されており、下画面は電話番号が登録されていた。
表示は『お母さん』となっているので、お母さんの電話番号が登録されているのだろう。


「貴方が旅立った後に買ったの。いつか帰ってきたときに渡そうと思って」

「ありがとうお母さん!大事にするっ」

「ええ。大事にして頂戴」


そう言ってお母さんは微笑した。……そうだ。お母さんに伝えないといけないことがあるんだ。


「私、カントー地方を出ようと思ってるの」


私の言葉にお母さんは目を見開いた。

私はそう決断した理由を簡単に、それでも伝わるように説明する。
お母さんは頷きながら私の話を真剣に聞いてくれた。


「……そう。余程、その人の話に刺激を受けたのね」

「うん。まあ、もう一度カントー地方を巡ってからにしようと思ってるけど」

「そうなのね。前に貴方が旅立つことを否定した私が言うのも何かと思うけれど……応援しているわ」

「…! ありがとう」


お母さんから直接その言葉を貰ったことが嬉しい。
と、足に温もりを感じ、下を向くと


「ロコン……!」


お母さんのポケモンのロコンが私の足にすり寄っていた。
この子と会うのも久しぶりである。


「また暫く会えなくなるけど……お土産話を持って、帰ってくるから」


ロコンを自分の目線まで抱えあげてそう言った。
ロコンは言葉を理解したのか、返事をするようにひと鳴きした。





2021/08/11


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