対 ジェミニストーム
「我々エイリア学園がただの人間などに敗れることなどあり得ない。……あってはならないのだ！」
レーゼの表情が変わった。
そう思った瞬間、ものすごいスピードでこちらに向かって来たではないか！
「何っ！？」
「ディアム！」
風丸さんからボールを奪い、レーゼが別の宇宙人を呼ぶ。
これは……連携必殺技か！？
「「”ユニバースブラスト”！」」
あの威力……間違いなくレーゼの”アストロブレイク”より高い！
「”ザ・タワー”！ きゃああああっ！」
「”ザ・ウォール”！ うわあああああっ！」
塔子さんと壁山が必殺技で威力を殺そうとするが、あっけなく突破された。
威力だけじゃない。スピードもある！
「マジン・ザ・ハン……うわっ！？」
円堂さんが”マジン・ザ・ハンド”を繰り出そうとしたが、タイミングが合わなかったのか、あの必殺技のスピードが高すぎたのか。
どちらにせよ、分かっているのは……
「点を奪われた……！」
1-2
相手に得点を許してしまったという事だ。
残り時間が少ない今、この状況はマズいという事だけが分かっていた。
「……点を奪い返しに行くか、守りに入るか」
下手に動けば時間を無駄にして負ける。
僕の動き1つで状況が変わるとは思ってないけど、雷門を負けさせるわけにはいかない。
負けてしまえば白恋中は破壊されてしまう。
「くそっ！」
雷門のキックオフで試合再開。
ボールが一之瀬さんに渡った……と思えば、またもやレーゼがボールを奪った。
どうやらこちらに点を奪い返させないつもりらしい。
「ディアム！」
またレーゼがあの宇宙人の名前を呼んだ。
あの必殺技がまた来る！
「「”ユニバースブラスト”！」」
やっぱりか！
そう思いDFを振り返った。
「！」
塔子さんの後ろに構えている壁山の様子がおかしい。
……さっきの攻撃で少しダメージを受けたのかもしれない。あの威力だ、あり得ない事はない。
「”ザ・タワー”！」
塔子さんが必殺技を展開した。
必死に耐えてるけど、あの様子じゃまた突破される。
DFだけじゃやっぱり負担は大きい。
……これはカバーに入った方がよさそうだ。
「壁山。君は休んでて」
「え……？」
「さっき吹っ飛ばされた時に痛めたんだろ。変わって、僕がやる」
「苗字、」
「円堂さん、”マジン・ザ・ハンド”の準備を。悔しいですけど、あの必殺技は止めきれる自信はありません。だけど、威力を落とすことはできます！」
何か言いたげな壁山の前に立ち、塔子さんの背中を見る。
”ザ・タワー”が敗れる……今だ。
「”ライトプレッシャー”！」
光の圧を展開し、ボールを止める。
僕が使える唯一のディフェンス技『ライトプレッシャー』。
別にこの必殺技でボールを止めた事がないわけじゃない。だけど、壁山と塔子さんの必殺技で威力を殺しきれないとなれば、僕が止められるわけがない。
だけど……円堂さんの負担を和らげることはできる！
「くっ……！ 円堂さん！」
「おう！」
必殺技を突破された。
だけど、この威力なら止められるはず！
「”マジン・ザ・ハンド”！！」
今度こそ円堂さんの”マジン・ザ・ハンド”がボールを捉えた。
競り合いの結果……
「何っ！？」
「！」
「円堂さん……！」
止めた。
円堂さんがシュートを止めた！
「いくぞ、反撃だ！」
円堂さんがロングシュートを放った。
さあ、点を奪い返さなきゃ！
2022/2/20
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