殺し屋レオン:序

side.茅野カエデ



「へぇ。ではそのリンさんって方のお陰で後半はスムーズに行動できたと」

「はい。大丈夫ですよ烏間先生、自分たちについては話してませんしちゃんと話し合って行動を共にしました」

「……まあ、危ない目に遭ってないのなら良い」


待機していた渚以外の男子組に、先程までの話を報告していた。
因みに渚は着替え中だ。


「どんな人だったんだ?」

「簡単に言うなら、磯貝君の外国人バージョン?」

「え」

「あー、しっくり来る〜!」


確かに、今思えば磯貝君の外国人バージョンって言われると納得できる。でも身長がちょっと低かったのは残念かな。


「すごい綺麗な人だったよ〜。芸能人みたいだった!」

「でも芸能人であんな綺麗な人いたら、人気になってそうだけどね〜」

「そういえば聞かなかったけど、リンさん外国人なのかな?」

「日本語ペラペラだったし、ハーフかもよ?」


女子達はリンさんの話で盛り上がっている。私達が歳下だったからあんなに紳士的だったのかな?


「はぁ……」

「あれ、着替えるの早いね?渚」

「あ、茅野。う、うーん……」

「? どうしたの?」

「いや……結局、今回女子が全部やってくれたし、僕がこんな格好をした意味って……」

「面白いからに決まってんじゃ〜ん」

「撮らないでよカルマ君!?」


余程女装するのが嫌だったみたい。
でも、意味はあったと思うよ?そのことを伝えると、渚は微妙な顔をしてこちらに笑みを見せた。



***



「あのままで行けば良かったのに。暗殺者が女に化けるのは、歴史上でも良くあるぞ」

「い、磯貝君まで……」

「渚君、取るなら早いほうがいいらしいよ」

「取らないよ!?大事にするよ!!」


未だに弄られている渚。それを見て苦笑いする私達。
そういえば、変装と言えば名前さんが浮かぶけど……。


「その話は後にしてくれるか……」

「二度としません……」

「ま、興味があるならレオン……苗字さんに聞くといい」

「遠回しに進められてる……?」


烏間先生の言葉に若干ショックを受けている渚は置いておいて。


「……この潜入も終盤だ。律」

『はい。ここからはVIPフロアです』


さあ、目的地までもう少しだ!





2021/03/30


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