期末の時間



テスト当日
どうやらテストは本校舎の方で行うらしい。

しかしこの坂、結構急だよなぁ。これはかなりの嫌がらせだね。理事長殿。ま、僕にとってはこんなのどうってことないけど。上りも下りも。

現在僕は磯貝片岡と共に本校舎へ向かっている。昨日、中村がいうには片岡もイケメン枠らしい。女性にもイケメンって言葉を使うんだね〜。
何故この二人と一緒なのかというと、先日のイケメン対決の件で何故か懐かれてしまったのだ。ま、信頼させる為だと思えば……予想外だった事には驚いてるけど。


「名前さんの説明、とても分かりやすかった。ありがとう」

「当然。ま、君は言われたことをきちんと理解できる人だから教え甲斐があったよ」

「しかし、本当に世界中回ってるんだな。殺せんせーに現地に連れて行ってもらったんだけど、苗字が言ってた事本当だったよ」

「君、信じてなかったな? ってか今、ターゲットに連れて行ってもらったって言ったか?」


片岡・磯貝とくだらない会話をしている間に本校舎へと着いた。
自分が指定された席へと向かっていると、隣の席である赤羽が暇そうにしているのが目に入る。


「あ、苗字さんだ〜」

「……なんだ」


呼ばれたので返事をしながら自分の席に座る。
そういえば赤羽は授業中に設けられたテスト勉強時間中、あまり真面目に取り組んでいなかったようだが、大丈夫なのだろうか。


「本当に一位狙うわけ?」

「勿論」


赤羽の方へと視線を向けると目が合った。
彼からは余裕綽々といった感情が読み取れる。


「まぁ、お互い頑張ろうよ」


その余裕で自らを破滅の道へと導かないようにね、赤羽?



***


テスト開始

【英語】


「ふむ……」


なるほどなるほど。
確かに難しそうな問題ばかりだ。進学校と言っているだけある。まさに問題のモンスター……略して『問スター』。なんちゃって。


「なんだなんだ。結構面白いじゃないか」


手に握ったハンマーを回しながら問スターを見上げる。


「何々? 和訳だって? ……舐めるなよ」


目の前にいた問スターの攻撃を躱して飛び上がる。
落下の勢いに任せてハンマーを問スターの頭上にへと振り下ろした。


「あれ、潰れちゃった」


まあちゃんと正解だったし、別にいっか。
そう思っていると後ろから光線が放たれた。まあ当てられる前に躱したから無事だけど。


「そんなに死にたいのかい?」


こいつは……あぁ、一番難しい問題か。どうやら周りは苦戦しているらしい。


「ほらほら、僕はこっちだよ〜。でかいから動きが遅いねッ!!」


再び放たれた光線を飛び上がって躱す。
目の前にはモンスターの頭上。……さぁ、答え合わせといこうか!


「お望み通り、殺してあげるよッ!!」


ゴンッ!と鳴り響く。
モンスターは弾けるように粉砕し、消滅した。


「さ、どんどん殺そう」


一息着いた後、僕は次の獲物に向かって走り出した。



***



「なんだあの女……!」

「あの子?あの子は最近うちのクラスに来た転入生」

「転入生だと?いや、そうじゃない!!あの女、問スターを潰したり、難問の問スターを軽々と倒しやがった……!」

「あぁ、そっちね。ま、確かにすごいわ。だってあの子___」


___“浅野に勝つ”って堂々と宣言しちゃうくらいに頭いいんだもん。






2021/03/26


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