変幻自在な殺し屋、現る



イリーナが悔しそうに教室を出て行った後。


「苗字さん。転入初日早々申し訳ないのですが、実は期末テストが迫ってまして」

「……期末テスト」


申し訳なさそうにターゲットに言われた内容は、テストが迫っているという事だった。


「テスト、ねぇ……。それ、絶対に受けなきゃダメなの?」

「学生たる者、当たり前です」


僕学生じゃ無くて殺し屋なんだけど。
それに……。


「僕、正直言ってテスト受けてもあまり意味ないんだけど」

「それはあなたが殺し屋だからですか?」

「それもあるけど……そもそも此処で学ぶ必要もない」


これ、なーんだ?
そう言いながら制服の内ポケットからあるものを取り出す。


「これは……?」

「まあ簡単に言ってしまえば義務教育が修了している事を証明するものだね」

「え!?まさか同い年じゃない!?」

「いいや、君達と同じ年齢だよ」

「じゃあ……飛び級って奴か!?」

「まぁ……そうなるのかな」


知識はある。
だから今更テストとかそんな紙を受ける必要はないんだよね。


「取り込めるものは全てインプットさせてきた。学問も暗殺もね」

「相当自信があるようですねぇ」

「勿論さ。何なら取って見せようか? オール100点」

「……どうやら苗字さんは椚ヶ丘を舐めているようですねェ〜」


そのしましま模様、腹立つなぁ……。


「舐める舐めない以前に、何が違うのさ? ただの進学校だろう?」

「それは自分の目で確かめてみて下さい。面白いですよ、椚ヶ丘は」


ヌルフフフと笑うターゲットを見つめる。
……まぁ暇つぶしには丁度良いだろう。


「分かった。そこまで言うなら受けてあげるよ」

「本当ですか!先生、嬉しいです!」


周りに花が咲いてそうな雰囲気を出すターゲット。そんなに嬉しいものなのかな。


「随分と自信あるんだね〜」

「自信は全て行動に表れる。意識するしないで変わるものなんだよ」


そもそも自信しかない。
当たり前だ。だってこのレオンを作り上げたのは___あの最強の殺し屋なんだから。



変幻自在な殺し屋、現る END





2021/03/26


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