国の境界にそびえし雪山へ
「空さん、パイモンさん! 私を呼んだと言う事は、何か遭ったのですか?」
現在、俺とパイモンは璃月を訪れていた。
そして、目の前にいるのは古くから璃月を守ってきた仙人の一人、名前だ。今日は彼女にお願いがあって尋ねたのだ。
「遭ったと言うより、名前に頼みたいことがあるんだ」
「貴方からの頼みですか。ええ、構いませんよ」
貴方には多大な恩がありますから
そう言って胸に手を当てながら、名前はこちらに微笑みを向けた。
「それで、お願いというのは?」
「実は璃月の外の話になるんだけど、いいかな?」
「まずは内容を聞かせていただけないでしょうか? それ次第で私から帝君に頼みに行きますから」
やっぱり言うと思ってた。
名前は岩王帝君……今は凡人を自称している璃月の神、鍾離先生との璃月を守る契約をしている。そのため、璃月から出る事を許されないのだ。
「あ、そのことなんだけど。鍾離と話して、名前がいいなら大丈夫だって言ってたぜ」
「そうなのですか? 分かりました。ですが、やはり私からも伝えようと思います」
「分かった。じゃあお前に頼みたいことについて話すぜ」
パイモンが名前に内容を説明する。
俺たちが名前に頼みたい璃月の外の出来事。それは、ある人物からの依頼だった。
『ドラゴンスパインの気候が高くなっている?』
『うん。その原因が龍眠の谷の中心部……ドゥリンの心臓と推測される空洞ではないかと見ているんだ』
その依頼者はモンドの西風騎士団に所属の錬金術師、アルベドからだった。相変わらずドラゴンスパインに篭もっているようで、俺たちがモンド城にいることを聞いて山から降りてきていたようだ。
『あぁ、あの場所か! それがどうしてドラゴンスパインの気温上昇に繋がるんだ?』
『気温を測りながら原因を探してみたところ、そこが一番温度が高かったんだ。それに、これまで記録していた温度を大きく上回る数値を叩きだしているんだ』
『……因みに、桁は?』
『もう少しで3桁かな』
『嘘だろ!? さっき見たドラゴンスパインはいつも通りに見えたけど……』
『そこなんだよ。異常な数値をたたき出すほどの温度なのに、ドラゴンスパインはいつも通り雪山として存在している。だから、あの温度をいつも通りの数値まで下げられたら、ドラゴンスパインの気候も戻ると思ったんだ』
アルベドから話を聞く前、ドラゴンスパインを訪れていないため、どれだけ異常なことが起きているかは予想出来なかった。しかし、ドラゴンスパインに拠点を設けるほどあの地にいる時間が長いアルベドが言うんだ、何とかしたい事案なのだろう。
『どちらにせよ、ドラゴンスパインの生態系に響く。それに、もしモンドや隣国の璃月に被害が及ぶ可能性が0とは言い切れない』
『そこでオイラ達に依頼したいんだな』
『ああ。この件、君たちにお願いできないだろうか?』
『流石に天候をどうにかって話は難し……あ、そうだ。ねぇアルベド、助っ人を呼ぶのはありかな』
『心当たりな人がいるのかい?』
『うん、丁度このドラゴンスパインを挟んだ先、璃月にいるんだ』
……という話が合って、俺が思い浮かんだのは名前だった、という訳だ。
「ドラゴンスパイン……あぁ、望舒旅館からよく見えているあの雪山ですね。あの山から吹いてきた風がとても冷たくて好きなんです」
「流石ほぼ氷と言われるだけあるな……」
確かにドラゴンスパインは望舒旅館から綺麗に見える。名前が知っていて当然だろう。
……と言うより、あの寒い風が好きだなんて、流石元素生物に近い存在なだけある。
「その、アルベドさんには私について話しているんですか?」
「まだだぞ。現地集合ってことになってるから、名前がこの件を頷いてくれるなら会えるぜ」
「そうですか。その話が本当なら、確かに他国の問題とは言い切れませんね。ドラゴンスパインはモンドと璃月の国境にそびえる山、その問題を放置してしまえば、影響が出る可能性もある、という話は一理あります」
「それじゃあ……!」
「はい。その件、引き受けます」
それに、ドラゴンスパインは一度行ってみたかったんです!
俺たちのお願いを受けてくれた名前だけど、最後の一言が本音な気がしてきた……。
「でもお前、暑い所苦手だろ? さっき言ったドラゴンスパインの中心部分、異常な暑さらしいんだ」
「その際は私の力で冷やせば良い話です。皆さんの身体が熱で悲鳴を上げないように守る事もできますから」
「分かったぜ! それじゃあ話は決まったな!」
「じゃあ鍾離先生のところに行こう。きっとまだ、璃月港で講壇を聞いてるだろうから、すぐに見つかるはず」
「分かりました。では、璃月港へ参りましょうか」
***
「空とパイモンか。まだ俺に何か用があるのか? ……うん?」
璃月港へ到着し、目的の人物が良くいる茶屋へ向かうと見慣れた姿を発見。その人物はこちらに気づいたのか、席を立って近づいて来た。
先に俺たちを視認した後、次に名前へと目を向けた。
「名前か。息災でなによりだ」
「ていく……鍾離様も変わりなく」
まだ帝君が先に出ちゃうんだね。まあ仕方ないか、約2000年も鍾離先生のことを帝君と呼んでいたのだから、まだ抜けるには難しいだろう。
「それで、何か俺に用か?」
「用があるのは私です。先程空さんとパイモンさんからお聞きした内容なのですが……」
俺たちが先程伝えた内容を、名前は端的にまとめて鍾離先生へ伝えた。
「あぁ、数刻前に2人が言っていた話だな。その話を受けるのか?」
「はい。他国の問題だと見て見ぬ振りしてはならないと判断しました。璃月にも及ぶ可能性があります……ですので、ドラゴンスパインの問題にご助力したいと思っています」
「お前の考えは分かった。無事を祈っているぞ」
「! はい、ありがとうございます、鍾離様」
こうして名前は、鍾離先生に自分が一時的に璃月を離れる事を正式に許可して貰ったわけだけど……。
「なあ名前、もう一人伝える人がいるんじゃないか?」
「もう一人?」
名前が璃月を離れる事を知っておかなければならない人物が、もう一人いるはずだ。その事についてパイモンが尋ねると、名前は首を傾げた。
「
だぞ! 絶対に言っておかないとあいつ心配するはずだ!」
パイモン、心配で収まらない可能性が高いと思う……。
200年名前がいなかった期間は、
にとって地獄とも言えるだろう。さすがに年単位にはならないけれど、
の元を離れるのは決まっている。だからこそ、彼にはきちんと説明しないと。
「勿論、彼には伝えるつもりでしたよ。まずは鍾離様にご許可をいただき、その後に
へ伝えようと考えていたのです」
なんだ、
には伝えるつもりだったんだね。ということは、名前の中で
に伝える事は確定だったけど、その他にもいるんじゃないか、って解釈されたんだろう。
そう思っていると、鍾離先生が黙っていることに気づく。視線を移せば、そこには考え込むように顎に手を添えた鍾離先生がいた。
「そうだ、
も一緒に連れて行ってくれ」
「え!?」
なんと、鍾離先生は
も同行させてはどうかと提案したのだ。そのことについて考えていたんだろう。
そんな鍾離先生の言葉に対し、真っ先に反応したのは名前だった。
「
までいなくなってしまえば、いざという時に璃月を守れません……!」
なるほど、だから名前が案外すんなりとこちらのお願いに了承したのか。
がいれば、璃月に緊急事態が起きても任せられるからと。だが、その
まで璃月を離れてしまえば……そんな気持ちが名前の中にあったんだ。
「名前、忘れたのか? 今この国を動かしているのは人間だ」
「!」
「お前が璃月を離れている間に、この国は新たな時代が始まった。璃月と人との契約の時代、それが今の璃月だ」
「……」
「お前は時代が変わる瞬間に立ち会うことができなかった。だからまだ、完全に人へこの国を預けることに迷っていたのだろう?」
……名前は人を好意的に見ている仙人だ。だが、彼女の中では「人は守るべき存在」という認識が強い。つまり、名前にとって人は弱い存在なのだ。
けど、彼女がいない間に璃月は変わった。神がいなくともこの国を動かし、守っていけることを二度も証明したのだ。……その瞬間に名前はどちらも立ち会えなかった。だから自分と
がいない璃月が不安でたまらないのだろう。
「この機会だ、璃月を人に預けてみたらどうだ?」
鍾離先生が名前にそう問うた。
名前は鍾離先生の言葉に対し、答えを探しているのか黙り込んでしまう。
「……承知しました、鍾離様。これを機に、我らがおらずとも璃月を維持できるのか試してみようと思います」
暫く考えて、名前は鍾離先生の話に頷いた。鍾離先生の言葉だから頷いたのだろうか?
俺の中では否定してくると思っていたんだけど……。
「驚いた。お前なら首を横に振ると思っていたぞ」
「実は少し前に、璃月七星の玉衡と会う機会がありまして。彼女から『人間は守って貰わなくても、自分達の力でなんとかできる』と言われたのです。……危うく、私は彼女の意思を否定するところでした」
なるほど、刻晴の言葉があったから頷いたんだね。
いつの間にか名前と刻晴に交流があったことに驚いたけど、甘雨つながりではないかと考えれば意外でもないな。
「後ほど刻晴さんに暫く璃月を離れる事を伝えなければ」
「お前が少しずつ今の璃月に馴染んでいるようで良かった。なら、玉衡に会う前に呼ぶとしよう」
呼ぶ?
そう思っていた時、鍾離先生が「
」と名を告げた。
「如何されましたか、帝君」
突如吹き荒れた風。
それと同時に現れたのは
だった。
「うん? 空にパイモンではないか」
「久しぶりだな、
! てか名前のことはスルーかよ」
「するー?」
「無視って意味だよ」
「我は常に名前が何処にいるか把握できる。無視したわけではない」
あ、例の契約のつながりね……。納得。
だから名前も名前を呼ばれなかったことに対して特に反応しなかったのか。
「お前に話がある。名前」
「はい、鍾離様」
ここからはお前から伝えろ、的な感じで鍾離先生が名前に話を振る。彼女は鍾離先生の意図を分かっていたようで、彼の言葉に対し頷くと
に向き合った。
「
に話す事があるの。実は___」
名前は
に俺たちの依頼に助力するためにドラゴンスパインへ行くことになった事を伝えた。
は腕を組みながら、名前の言葉を黙って聞いていた。
「……なるほど、分かった。璃月にも及ぶ可能性があるのであれば、見過ごす訳にはいかんからな」
「ありがとう、
。あと、もう一つあるのだけど……
も一緒に来ない?」
「我も?」
目的を話し終えた後、名前は
も一緒に来ないかと誘った。当然、
は戸惑いの表情を浮べるわけで。
「我までいなくなってしまえば、誰が璃月を守るというのだ」
……夫婦揃って同じ事を言うなぁ〜。
もう関心しか浮ばない。
「私も初めはそう思ってた。けど、鍾離様から言葉を賜った……人間はもう守るだけの存在ではない、璃月を守る事が出来ると。……私は、鍾離様が信じて任せた璃月の民を信じたい」
「……」
「どうかしら、
」
名前の言葉を聞き、
は考え込む。口元に手を添えて考えているのは、璃月の民を信じるか否か。
そんな
を誰もが見ていた中、鍾離先生が口を開いた。
「俺はただ、お前達が璃月の外を知る良い機会だと思っただけだ」
「鍾離様……」
「遠くから見える他国を見つめている姿は、何千年の間に何度見た事か」
「そ、それは……」
鍾離先生の言葉に
は目を逸らす。気になって名前の方を見れば、彼女も目を逸らしていた。どうやら図星というやつらしい。
なんだかんだ、他国がどんなものか気になっていたんだね。
は一度も他国の景色を経験した事がないのだろうか?
名前は体験こそはしているけれど、良い思い出として残っていないだろう。何故なら、逃亡している間に訪れているからだ。嫌な思い出と言った方が正しいか。
「あの飲兵衛の国というだけで癪に障るが、あの国には名前を救ってくれたという者がいたな」
「え? はっ、はい!」
「良い機会だ。その人物に会いに行くと良い。お前の事だ、礼を伝えに行きたかったのではないか?」
「! ……はい、ずっと思っていました」
でも、今の所モンドは良い思い出として残っているようだ。なんせ、名前が自分を思い出す一歩となった人物、ディルックがいるのだから。
名前は口に出さなかっただけで、ずっと彼にお礼を伝えたかったんだ。だって本人に向けて言っていたもの、必ずお礼を伝えに行くと。
「良かったな、名前!」
「はい、やっとお礼を伝えに行けます」
モンドに行く事も許可してくれた鍾離先生。ウェンティとの仲は相変わらずだけど……でも、名前の気持ちを汲んで隣国へ行くことを許した。こうしてみると、鍾離先生は割と名前に甘い気がする。……そんな光景しか見た事ないから、そう思うだけかな?
「モンドでお前を助けてくれた人物、か。お前達とは知人なのか?」
「うん。俺もモンドでは助けられたよ」
……そういえば、
は知っているのだろうか。
今名前が語っている人物が男性であることを。確か、助けてくれた人がいたとは伝えていたけど、性別とか名前とかは名前言っていなかったような……。
「……はっ! 目的を間違えるところでした……一番の目的は、空さん達のご友人からの依頼ですから」
「何、終わった後の褒美があった方がやる気が出るだろう。そう無理に言い聞かせなくてもいい」
「ありがとうございます、鍾離様」
「それで、お前の返答をまだ聞いていないが……どうだ、
」
そうだった、話が脱線していて忘れかけていた。
今は
も行かないか、という話だった。
「……では、鍾離様の厚意をありがたく受け取ります」
「ああ。依頼ではあるが、他国を楽しんでくるといい」
も同行が決定した!
ドラゴンスパインまでは賑やかになりそうだ。
「二人とも、無事に帰ってくるんだぞ」
「はい、鍾離様」
「勿論です」
「ふむ……命令ではないのだから、そんなに堅くならずとも良い」
……この三人の関係は、まだまだ主従関係の形から抜けられそうにないけれど。まあ中々抜けないか、だって二人とも鍾離先生に助けられているんだし。恩人に対して失礼な態度を取れないのが普通だもん。
「それじゃあ、刻晴に会いに行こうぜ! とは言っても、あいつが今璃月港にいるか分かんないけど……」
話も纏まったことで、次に会う人は刻晴だ。
刻晴は日頃璃月を歩き回っており、璃月港に確定でいるかどうかが分からない人物だ。……勿論、仕事としてである。鍾離先生みたいに散歩ではない。
「では、甘雨さんの元へ行きましょう。あの人の事です、どうせ月海亭にいるでしょう」
どうせ……名前、慣れた人には割と適当な感じなのかな。丁寧なイメージが強いからちょっと意外だ。
***
「あ、名前さんじゃないですか! お久しぶりです! 甘雨様にご用ですか?」
場所は月海亭入り口。
付近に立っていた女性は名前の姿を見ると、笑顔で話しかけた。あれ、顔見知りになってる?
「はい、彼女はいらっしゃいますか?」
「確認してきますので、少々お待ち下さい!」
なんか慣れてる雰囲気……もしかしたら結構頻繁に来ているのだろうか?
チラッと
を見ると、こちらに気づいた。目線で「何だ」と言われている気がする。
「名前って結構此処に来てるの?」
と言うわけで、
に気になっていた事を聞いてみた。
「ああ。日中で暇があれば此処によく来ている」
「甘雨と喋りたいのかな? それとも、甘雨の様子を心配しているのか……」
「どちらもじゃない?」
一応俺たちもそれなりに甘雨という人物像を知っている。無理していないか様子を見たい気持ちも分かる。
けど、名前と甘雨は古くからの友人だと聞く。純粋に話したいというのもあるだろう。
「名前! 今日はどうしたんですか……って、空さんにパイモンさん、降魔大聖まで!?」
暫くして現れたのは甘雨だ。
初めは名前しか認識していなかったようで、後ろにいた俺たちに気づいて驚いていた。
「なんだ。いては駄目だったか」
「い、いえ。驚いただけです。特に降魔大聖は中々璃月港にはいらっしゃないですから」
それで、私に何か?
改めてそう尋ねた甘雨に、名前が口を開いた。
「ごめんなさい、今日は甘雨さんではなく刻晴さんに用事があるんです。彼女はいらっしゃいますか?」
「刻晴さんですか? はい、今日はこちらにいますよ。呼んでくるのでお待ち下さい」
嫌な顔一つせず、甘雨は月海亭へと戻っていった。
目的の人物は此処にいるみたいだ。運がいい。
……刻晴を待つこと数分。軽く雑談をしていると、月海亭の扉が開いた。
「名前! 久しぶりね」
「刻晴さん、お久しぶりです」
バンッと扉が開き、名前を呼びながら現れたのは刻晴だ。おぉう、名前呼び……もうそこまで仲良くなってるんだ。
「あら、空にパイモン、降魔大聖までいるじゃない。どうしたのよ」
「3人は私に付き合っているだけです。お気になさらず」
「そうなのね。それで、甘雨から名前が私に用があるって聞いたのだけど」
「実は……」
名前は俺たちの依頼で暫く璃月を離れる事を刻晴に伝えた。刻晴は名前の話を時折頷きながら聞いていた。
「貴女は以前、私に『人間も璃月を守れる』と仰っていましたね」
「ええ」
「私はそれを信じて、暫くこの璃月を
と共に空けます。……その間、璃月をお願いしますね」
「!」
なるほど、名前が刻晴に一番伝えたかったのは「璃月を任せた」という事だったのか。刻晴の顔が明らかに嬉しそうだ。必死に我慢しているようにも見えるけど。
「勿論よ、名前。私達に任せて、貴女はその依頼に専念して頂戴」
「その言葉を聞けて安心しました。では、お願いしますね」
「気を付けてね、みんな」
と言うわけで、名前の目的は達成された。
俺とパイモンは璃月に特に用事もないので、残るは
だけだ。
「
、お前は何かやることはあるか?」
「ない」
パイモンの問いにきっぱりと答えた
。なんかちょっとだけ寂しい気もするけど、彼らしいとも言える。
「それじゃあ、後は出発するだけだな!」
「うん。2人とも、準備は大丈夫かな?」
「私は大丈夫ですよ」
「我もだ」
「だったらもう出発しようぜ! アルベドは早ければ早いほど良いって言ってたしな!」
可能性を考えれば、この依頼は緊急性が高い。
二人はそれを分かって返事してくれたのかな?
「では、参りましょう」
俺の隣に立ち、碧色の瞳でこちらを見た名前。その瞳には普段の優しさとは違い、威厳を感じるような……仙人としての名前が見えた気がした。
2024/01/11
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