第4節「神野区の悪夢」


side.爆豪 勝己



「先生ぇ……?てめェがボスじゃねえのかよ……!白けんな」


モニターから聞こえる声の野郎が気になって仕方ない。
何故なら、あのテレビの向こう側にいる奴のとこに名前がいるかもしれない。
……何故か、そんな予感がした。


「あぁ、そういえば。先生、姫はどう?」

『姫かい?あぁ、ちょっと予定を変更して僕たちの仲間になってもらった・・・・・・・・・・・・・よ』

「!?」


仲間に……?!
そんなバレバレの嘘、通用するかっての……!


「あれ、そうなの?必要なのは英霊だけじゃなかったっけ?」

『そうだったんだけどね……どうやら騎士達は姫を手放す気はないようでね。ならば姫を仲間にするしかないだろう?』

「ふーん……まぁ仲間になったなら、それはそれで好都合だ」


俺を動揺させる為の罠か?
だって、彼奴がそう易々と仲間になるなんて言う訳がねェ。
彼奴は自分の個性がどれだけ恐ろしいのか理解していた。ヴィランに狙われる可能性も最初から分かっていたから仲間である俺達にも隠した。
そんな奴が、仲間になっただと?


「聞いた?君の仲間であるお姫様は僕達の仲間になったよ。さァ、どうする?」

「さっきも言ったろ!!俺は仲間になる気はねェって!!!」

「……はぁ。黒霧、コンプレス。また眠らせてしまっておけ」

「ここまで人の話を聞かねーとは。……逆に関心するぜ」

「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!」



最大火力でブッ飛ばしてえが……ワープ野郎が邪魔すぎる。
彼奴は何か弱みを握られて仲間にさせられたとか、如何にもこのバカ共が考えそうな事で渋々頷いたと思う。

……助け出してェのに、彼奴の居場所がわかんねえ。けど、さっきの発言で名前がどこにいるのかは分かった。あのテレビの向こう側にいる野郎の場所だ。でもあの野郎はどこにいる?それがわからねえ。

俺だけ逃げられても名前がまだ捕まっている状態だ。……考えろ、この状況をどう打破するかを!


「!!」


背後にあるドアからノック音が聞こえた。
その音に後ろを振り返る。


「どーもォ、ピザーラ神野店ですー」


一瞬の静寂。
その静寂を破ったのは___


「スマァーッシュッ!!!」


壁を破壊した大きな音だった。





2023/12/04


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