第3節「林間合宿 後編」
side.緑谷
名前ちゃんが敵に捕まった!
ピクシーボブが敵の攻撃にやられた!!
「名前ちゃん!!ピクシーボブ!!」
咄嗟に動き出す身体。
しかしマンダレイと虎に行方を阻まれる。
「やばい……!」
マンダレイの呟きを聞いて、何の事か理解してしまった。
……そうだ、洸汰君!
夕食の準備の時には既にいなかった……つまり今、秘密基地にいるんだ!
でも名前ちゃんが敵の元に……っ。
「!?」
自分の真横を速い何かが通り過ぎたと思えば、目の前で敵と交戦している者が。
その人物は名前ちゃんの個性の一部だと言われている存在、サーヴァントのランサーさんだった。
「みんな行って!!いい?決して戦闘はしないこと!委員長引率!!」
「しかし、苗字君が……!」
「彼女の事は虎とランサーに任せて!早く!!」
そうだ。
名前ちゃんが前に言っていた。……基本、人間はサーヴァントに勝てないと。
だから名前ちゃんはランサーさんが必ず救ってくれる!!
___でも、洸汰君は?
「緑谷君! 苗字君の事は気になるが、プロに任せよう!だから早く!!」
「先に行ってて!」
「何を言っているんだ!!」
後ろから飯田君が僕を呼ぶ声が聞こえる。
僕達は戦闘を許可されていない。だから施設へ急いで向かい、自分の身の安全を最優先しなければならない。
だけど、だけど……!!
「マンダレイ!!……僕、知ってます!!」
___洸汰君を放っておく事なんてできない!
「……ッ」
名前ちゃんはピクシーボブに庇われたお陰で意識があるみたいだけど、怪我をしているのは間違いない。
助けたい。いつも僕を助けてくれた名前ちゃんを助けたい。……だけど、それはできない。
飯田君の言うとおり、ここはマンダレイと虎、ランサーさんに任せて僕は……洸汰君の元へ行こう!!
「……なんでだろう」
プロがいるのに、ランサーさんがいるのに何でだろう。……何故か不安で仕方ないんだ。
この不安は最悪な状況で知ることになる。
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2023/8/5
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