第12節「期末テスト」



無事三日間の筆記試験が終わった。手応えはある。
ふぅ、これもかっちゃんのお陰だよ……ありがたやありがたや。


「やれることはやった。……後は実技試験のみ」


そして残るは実技試験のみだ。
気になる試験内容だが、B組の拳藤さんによると対ロボットの実践演習らしい。
三奈ちゃんと上鳴君が喜んでたのを思い出すなぁ。

更衣室でコスチュームに着替えながら、どのように試験を熟すか考えていた。
私の個性も対人戦では使いにくい部類だ。強力が故に相手を選んでしまうので、その度擬態するサーヴァントも段々と固定化しているのが課題だ。

ロボット戦なら選べる子が多い。
……だからありがたいと思っていたのに。



「___諸事情により今回から内容を変更しちゃうのさ!」



現在、試験会場にいる私達1年A組。

相澤先生の捕縛武器から出てきた人物…我が雄英高校校長『根津』校長先生の言葉が頭の中で繰り返される。
え?内容変更!?


「これからは対人戦闘、活動を見据えたより実践に近い教えを重視するのさ!」


今回の実技試験は、2人1組で先生方と戦闘を行う。
ペアの基準は普段の動き、成績、親密度等で先生方が独断で既決めているらしい。
対戦相手の先生も、既に決まっているそうだ。

…待てよ。このクラス奇数だから、1人余るよ?
それぞれ対戦相手の先生が発表される中そう思っていると、相澤先生から驚き発言が飛んできた。


「で、苗字。お前だけペア無しだ」

「え!?」


私だけ1人!?省かれたの!?
と心の中でショックを受ける。……思いっきり口に出たけど。


「お前の個性を考慮した結果だ。個性であるサーヴァントがお前のペアだ」

「!なるほど」

「と言うわけで今からそのサーヴァントを選んで貰う」


今此処で!?
急に言われても試験内容言われてなかったし……。あ、でも個性使う事は言ってたから呼び出しても大丈夫かも。


「……わかりました」


相澤先生に返事をし、右腕に令呪を出現させる。
急で悪いけどまあ彼なら許してくれるでしょ!うん!


「我が声に応じよ___マーリンキャスター!」


その場に手を付くと同時に、私を中心に魔法陣が展開していく。
赤い輝きが収まった途端、嗅ぎ慣れた花の匂いが辺りに漂う。



「サーヴァント『キャスター』。……お呼びかい、マイロード」



美しい容姿を持つ青年…花の魔術師マーリンが花弁を散らせながらその場にいた。





2022/2/4


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