第5節「轟焦凍」
ヒーロー名を考える事、数分後……。
ミッドナイト先生がとんでもない事を言った。
「じゃあそろそろ、できた人から発表してね〜」
まさかの発表形式!!
それに加え私は未だに目の前のボードは真っ白だ。
ヒーローになりたい、という心は小さい頃からあった。
守られるのでは無く、守れるようになりたいから
あの人を失ったことで芽生えたこの気持ち。ドクターを失ったことで、その気持ちは更に増幅した。
”前の私”には戦う力がなかった。
だけど、今の私には戦える力がある。
まだまだ扱えていないけれど、この力があれば私だって誰かを守れる。いや、守るんだ。
気持ちはあるけどそれをヒーロー名にする事ができない。
私、ネーミングセンスないからなぁ……。
そう思いながら前を見ると、教卓の前に青山君が立っていた。
「いくよ……。輝きヒーロー『I can not stop twinkling』。訳して……、キラキラが止められないよ!!」
短文!?
……何となくだけど、みんなと心の声が一致した気がする……。
「ここはTを取ってCan'tに省略した方が呼びやすい」
「それね、マドモアゼル」
あれ、そういえばさっきのヒーロー名、英語とフランス語が混ざってなかった……?
青山君のヒーロー名にそう思っていると、お次は三奈ちゃん。
元気よく出てきた彼女が考えたヒーロー名は……
「ヒーロー名『エイリアンクイーン』!!」
「2!!血か強酸性のあれを目指してるの!?止めときな!!」
何この大喜利のような空気!!
ちぇ〜と良いながら自分の席に戻っていった三奈ちゃん。どうやらかなり気に入ってた様子。
みんなのヒーロー名を見て何か思いつかないかなぁって思ってたのに、はっきり言って全然参考にならない!!!
「ケロ。じゃあ次、私良いかしら」
「はい梅雨ちゃん!」
次は梅雨ちゃんが発表するようだ。
彼女は一体どんなヒーロー名を考案したのだろうか……。
「小学生の頃から決めてたの。梅雨入りヒーロー『FROPPY』」
か、可愛い……!!
ミッドナイト先生と感想が被ったけど、気にしない。
そして何故かクラスにわき上がったフロッピーコール。もしかして、またクラスのみんなと心の声が一致していたのかな……。
親しみのあるヒーロー名、か……。
なるほど、と思いながらヒーロー名を考える参考として頭の中でメモした。
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2021/07/25
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