雪の女王

あら
あなた
こんなに冷たくなって

まるで
死んでしまったみたいね

私も
だんだん冷たくなってきた
このまま
眠ってしまおうかしら

起きたら
たぶん
あなた
もう冷たくないわ

そしたら
すべて
元通りになるのよ

私ね

靴をはいてないの
だから
とても寒いのよ

身動きひとつ
とれなくて

周りはみんな
真っ白よ

ねえ

眠れそうにないわ

はやく
眠ってしまいたいのに
涙が
私を眠らせてくれないの

せっかく
眠れそうだったのに
涙が
私を起こしてしまうの

涙はね
私の血管を通って
心臓に行くの

涙はね
あったかいのよ
だから
私は眠れないの

ねえ
泣かないで
私は
眠りたいの

はやく
眠ってしまいたいの

そう
言いたいのに
言えないの

だって
私の口には
管が通ってる

今の私は
とっても不細工よ

だから
あなた
まだ見ないで

ねえ
あなた

彼らの涙を
ふいてあげたいの

でも
私の手には
針が刺さってるのよ
そこから管で
つながってるの

今の私は
まるで
マリオネットだわ

だから
あなた
まだ見ないで

ねえ
あなた

いつになったら
眠れるのかしら

はやく
眠ってしまいたいのに

いつになったら
あの子
泣き止んでくれるかしら

あの子は
昔から泣き虫だったわ
いつも
すぐ泣いて
私を困らせるの

でもね
今のあの子は
私の為に
泣いてるの

泣いて
私を困らせてるのよ

まったく
いつまでたっても
泣き虫なんだから

ねえ
あなた
私たちが
子供だった時の
こと覚えてる?

私は
覚えてるわ……

あのね

だんだん
眠たくなってきた
涙がね
わたしをね
おこそうとするんだけど

それでもね
ねむたいの

ああ
わたしも
あなたとおなじ
つめたくなってきた

ねえ
こんど
わたしといっしょに
そりで遊びましょう?

それと
氷のパズルを
いっしょに解くの

そしてね
最後は
おばあちゃんに
本を読んでもらって

一緒に眠るのよ





8/6(Fri)
18:21(0)
 ←
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -