……。
どれぐらいの時間が経っただろうか。恐ろしいぐらいに志摩くんが何も喋らない。どれだけ毛の処理に夢中になっているんだ。
嗚呼、僕の下の毛と共に何か大事な物まで…僕のプライドだとかそういう何かも一緒に削ぎ落とされている気がする。


「っあ」


突然、志摩くんが短い声を上げた。過ちをしてしまったのでは無いかと不安にかられ、一気に身体中に緊張が走る。


「あ、あかん」
「…何?何か失敗したの…?」


今まで僕の下腹部にしか固定されていなかった視線が、久しぶりに僕へと向けられた。上目遣いの志摩くんに、一瞬ドキリとする。こんな恥ずかしい事をされてるのに胸を高鳴らした自分が悔しい…。


「……先生、俺めっちゃ興奮してきました」
「は?」
「だって、こないつるつるで…俺犯罪してる気分になってきましたわ」


言うや否や、すり…と、つるつるにされたであろう部分を撫でられ、思わず身の毛がよだつ。何て言うか、気持ち悪い。そんな僕の気持ちなんざ知る筈も無い志摩くんは、何度も撫で回してくる。


「し、志摩くん!気持ち悪いので止めてください…!」
「そないな事言われましても、この肌触りめっちゃ癖になりますって。先生も触ってみます?」
「断る!!」


それは残念ですわぁ、と間延びした声を発する志摩くんが思い出したかの様に僕の性器に指を滑らせる。何も心構えをして無かった僕はつい上擦った声を上げてしまった。


「ひっ、」
「毛の処理も終わった事ですし、ちゃんとこっちも弄ってあげなきゃですよね」


性の快楽を知っている体は、志摩くんに触れられると直ぐスイッチが入った。


「ン、し…まく、ん」
「先生、もう感じてるん?ほんまエロい人やなぁ」


思わず布団のシーツを握り締める。それに気づいたのか志摩くんは僕の手をとって、手の甲にキスを一つ落とした。


「シーツ握り締めるんでしたら、俺に抱きついてください」


今度は手を引かれ、志摩くんの肩へと導かれた。その動作のどさくさに紛れ、僕の方から両腕を回して彼へと抱きついた。そしてそのまま、耳へと軽く噛み付いてやる。


「いっ?!せ、せんせ…!何するんですか!」
「少しぐらい志摩くんも痛い目、見れば良いんですよ。後日、僕も志摩くんの下の毛を剃ってあげますから、覚悟しておいてくださいね」
「ぇえ?!」


下の毛つるつるな志摩くんはどんなだろう、なんて想像しながらニヤつく僕も大概変態なんだろうか…と思いつつ、彼の唇へと吸い付いた。





- end -



2011.06.13


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