最初はほんの好奇心やった。
俺の周りに双子なんて居た事なんか無かったから、ただ単純に双子という存在に興味があったんや。

自分の中で双子と言えば「見た目も中身もうり二つ。浅い付き合いじゃ判別がつきにくいもの」という認識。
せやけど、高校に上がって初めて見た双子…奥村兄弟は、見た目も中身もまるで違った。

だから逆に、「同じ」はどこだろう。そんな疑問が思い浮かんだ。





×双子×相






「ちょ、志摩待て。落ち着けって!」
「ん、どないしたん奥村くん」
「明らかにこの状況はおかしいだろ…!」


燐の部屋にて。志摩はベッドの上に座っていた燐の肩を掴んで押し倒し、すかさず腰の付近に跨いで乗り上げ完全に相手の動きを封じた。そして慣れた手つきで自分の下でもがく彼の服を首元までたくし上げる。
いきなりの事で何が何だか分からない燐は、堪らず志摩にストップの声を上げた。


「止めろって!何でこんな事されなきゃなんねーんだよ!」
「そうやね、俺ちょーっとだけ奥村くんの体に興味あってなぁ。お願い、触らせて?」
「いやいやいや。それではいそーですかってなるわけ…ん、」
「そこは雰囲気に流されといて欲しいとこなんやけど」


へらへらといつもと変わらぬ口調で言葉を続ける志摩は、燐の尻尾を掴んでやんわりと撫で上げる。さすがに弱点である尻尾を触られては、反論をする事ができない。その事に気を良くしたのか、尻尾を撫でる手を今度は胸へと移動させた。


「何や急に大人しくなって…」
「……、離れろ…」
「そない言われても困るんやけど」


困る、と言いつつも双眸を細め口元をニヤつかせる志摩は困るどころか楽しんでいる、そんな雰囲気を漂わせていた。
無論、志摩の行動は止まる筈も無く燐の胸に乗せた手で、右胸の飾りをふにふにと刺激し始める。


「し、志摩!」
「……。奥村くんは先生と違ってここ触られても何も無いって事は、まだ未開発って事やろか」
「…え?お前何言ってるんだよ…それに先生って…」
「先生は先生や。奥村くんの弟、奥村雪男。よーく知っとるよな?」
青い瞳が揺れ明らかに動揺する燐の頬をそっと撫でる。耳元に顔を近づけ口を開き、少し尖った耳に舌を這わせてからこう囁いた。


「俺と先生、こういう関係なんよ」





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2011.06.01


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