カーテンの隙間から射し込む程好い朝の日差しと小鳥のさえずりで目が覚める、なんてテンプレート過ぎる朝を迎えた。

目を開けば目の前には見覚えのある塾生徒、つまりは僕の生徒がすぅすぅと可愛らしい寝息を立てている姿を映し出す。
抱き締められながら寝ていたのか、肩の上には志摩くんの腕が回されていた。僕も彼も衣服は身に纏っていない。だから直接彼の体温を感じ取る事ができる。

そうか、昨日。なんて思ってぼんやりと一つ一つ記憶を遡っていく。勉強が分からないって言うから志摩くんの部屋まで出向いて、最初こそ勉強はしてたものの上手く丸め込まれてそういう雰囲気になって…。最終的には僕からも彼を求めた気がする。というより最後の方は記憶が無いから自分が何したのかイマイチ思い出せない。

駄目だ、きっと思い出したら思い出したできっと恥ずかしい気がするから、自虐行為は止めよう。


(取り敢えず喉が渇いた…)


一旦起きて水を飲もう。
思って、体を起き上がらせ様とする。その瞬間、腹部に違和感。いや、正確には体の内側に違和感を感じた。


(…う、嘘だろ)


見なくても、触らなくても分かる。今の僕がどういう状況なのかが。


(志摩くんのが入ったままだ…)


て事は、昨日志摩くんが出したものもまだ僕の中に…一気に血の気が引いた。あぁ、そんな生々しい事を朝から考えたくない。


「っ…最っ低だ、」


心中、舌打ちをした。一先ず、どうにかしてこの状況から脱しよう。そっと肩に掛かる腕を外し、ゆっくりと腰を引いて胎内から志摩くんのを取り出そうと試みた。


「ッ、ン…」


排出感と似た感覚に思わず肩が震えた。出そうになる声を押し殺して、ゆっくりと確実に事を進めていく。こっちは悲惨な目に遭っているっていうのに、幸せそうに眠る志摩くんの顔に凄くイラついた。一発顔面をぶん殴ってやりたい勢いだ。


「ふっ…ぁ、」


本当に最悪だ。何で僕がこんな事を…。あともう少し、ちょっとで全てが終わる。
そう確信した時だった。


「せんせ、ヤらしいなぁ…何一人で盛り上がってるん?」
「っ、ぁあ…!」


急に腰を引き寄せられ、出ていくはずだったものが再び中に埋められる刺激に対応できず、咄嗟に志摩くんの肩にしがみついて声を上げてしまった。志摩くんの耳元でクスクス笑う声がやけに意地悪なものに聞こえて、何だが全身の血が火にかけられたかの如く熱くなった。


「朝からだなんてお若い事。やっぱ先生も俺らと同い年やんなー」
「だ、誰のせいで!ひ、…ンッ!」
「ん?誰のせえなんやろ」


緩い揺さぶりに、出さずにはいられない声。ぐりぐりと腰を押し付けてくる志摩くんを離そうと肩を押し返しても、腰をガッチリ掴まれてはそう簡単には逃れられない。体を駆け巡った熱が次第に下半身に集められる。…志摩くんの言うと通り、若い自分にげんなりした。


「逃がしはしぃひんよ」
「ぁ、や…だ…。志摩、く…」
「先生のお誘いで目ぇ覚めるなんて幸せすぎて往生してしまいそ」


いっそそのまま逝ってくれ、と心内で叫んでうっすらと笑みを作る憎たらしいその唇に噛みついてやった。





- end -



2011.05.16


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