人に愛されるということは素晴らしいことだと、僕は思う。対して人を愛することも素晴らしいことだ。 例え相手が自分を愛していなくても、僕が誰を愛するかはおれが決めることだ。 でも一人愛するべき人間を見つけたのに、二人目を見つけるという行為、まぁつまり浮気というものだけは決して認めない。 なぜ一人に全ての愛を注げばいいものを、もう一人に分けてやらなければならないのだ。 これだけは絶対に僕は許さない。 そう、絶対に。 ああそうそう、僕の名前は瀬戸内律。そして今日、一番嫌いな浮気をしてしまった僕の彼女である凪ちゃんをオシオキしにきた。 「さて、凪ちゃんはどうして浮気なんて下衆なことをしたのかな?」 愛する彼女の上にまたがりながら、僕は笑顔で言う。 僕の可愛い可愛い凪ちゃんは目に涙を溜めながら震えていた。涙は女の最大の武器だって誰かが言っていたなぁ。確かに、今にも溢れそうな涙を必死に堪える凪ちゃんは最強だ。僕を興奮させる一番いい攻撃だよ。勃起しちゃいそう。 台所から持ってきた包丁を手に持っているせいか、凪ちゃんの視線は僕じゃなくて包丁ばかりに向けられる。苛つくなぁ、今は僕と話をしているのに。 「こっち見ろよ、ね?そうそう、そらしちゃダメだよ」 そらしたら殺すからね、と笑顔で言うと彼女はとうとう涙を溢れさせてしまった。勿体無い勿体無いとその涙を舌で掬い、じっくりと口の中で味わう。しょっぱい。 「ねぇどうして浮気したの?ねぇ、聞いてる?早く答えろよ」 反省しているのかな?ずっと無言を突き通す彼女に業を煮やした僕は、包丁を彼女に見せびらかすように顔の前でひらひらと振った。 手を滑らせたら凪ちゃんの可愛い顔にざっくり。それはこちらもさすがに勘弁なので、落とすようなヘマはしない。 彼女の視線がまた僕から包丁に向けられた。はぁ、むかつく。 包丁の刃で自らの手首を切り、滴る血液が凪ちゃんの顔に落ちる。恐怖に目を見開く彼女がこれまた可愛くて、もう完全に僕の息子は勃起した。 血液を彼女の唇に落とし、恐がらせないように優しく僕は言う。 「飲んで?僕の血」 震える彼女は頑なに口を開かず、行き場を失う僕の血は頬を伝って床へと溜まっていく。 せっかく優しく言ってあげたのに言うことを聞かないなんて、僕の知ってる君はこんな反抗的じゃない。きっと浮気相手に何か吹き込まれたんだ、絶対そうだ。 「あとでころしとこう」 僕の言葉にびくりと彼女の肩が揺れた。 「アハハ、恐いの?ていうか早く飲めよ、僕の言うことを聞けないのかな…悪いコだね」 それでも彼女はキュッと唇を閉めたまま。 「飲めよ、飲めっつってんだろ?開けろ口、口だよ口!僕が血をあげるって言ってんだから素直に飲めよ!!」 止めどなく溢れる涙が血溜まりに溶け込む。 ようやく観念した彼女の口の中に血をぽたぽたと落とし、飲み込むのを確認する。 あまりにもトロいから僕が口移しで飲ませてやると、凪ちゃんは泣いて喜んでいた。可愛い可愛い可愛い 「僕優しいからさ、今回は許してあげるよ…今回だけ。 次は絶対許さないから、あと相手の男の名前と住所教えてね。 僕の君をたぶらかした罪は重いよ」 可愛い可愛い可愛い いまだに泣いて喜んでる凪ちゃん。君の涙は美味しいね、ととびきりの可愛い笑顔で言うと彼女は意味がわからないというような表情をしていた。 「ありがとうは?許してあげたんだから感謝くらいしなくちゃね、あとごめんなさいも。 ほら、僕の名前とありがとうとごめんなさい、ちゃんと言って?」 勃起した僕の息子を彼女の下腹部に擦り付けながら、彼女の言葉を待つけれどいつまでたっても可愛い声が聞こえない。 「早く言えよ。 律くん浮気してごめんなさい、許してくれてありがとう、早くしろよ犯すぞ」 かたかたと一段と大きく震える彼女はようやく口を開いた。可愛い可愛い鈴みたいな声が僕の名前を、 「あ、あなた…誰……?」 僕の名前を。 「あ?」 僕の名前が聞こえない。 「私…あなた知らない…っ……浮気とか、な、何のことか…わか、わから…な」 「黙れよ」 どうして僕の名前を言わない? 「僕は君の彼氏でしょ?今更何言ってんの?なぁ、おい聞いてる?」 早くその可愛い声で僕の名前を呼んでよ。 「毎日君に手紙送ってるでしょ?あと変なもの食べてないか出したゴミも確認してあげてるし、あぁそういえば前に鍵掛け忘れたでしょ。 君がいない間、ちゃんと僕が中に入って不審者が来ないか見張っててあげたんだから…あ、ちなみにこれ、その時作った合鍵ね。 これでよく部屋に入って凪ちゃんが使ってるシャンプーで髪洗うんだけどさ、そしたらなんか体から凪ちゃんのシャンプーのいい香りがしてさぁ…あの時は帰ってからオナニー連続で十回もやっちゃったエヘヘ! あぁ、そうだ、下着貰ってったの言うの忘れてたよぉ。 夜は毎日向かいのマンションの僕の部屋からこの部屋を双眼鏡で覗いて…あの双眼鏡高かったんだからね?まぁそのせいで凪ちゃんの浮気がバレちゃったわけだけどさ」 だからさぁ早く、君の愛しの彼氏の名前を言ってよ! それを今日オナニーする時に思い出すからさ。ねぇ早くねぇねぇねぇねぇ。 「僕の名前は、律だよ?凪ちゃん」 気が付くと彼女は気を失っていた。下着持って帰ったの言い忘れたこと、そんなにショックだったのかなぁ。 「…っ、ふぅ」 息子を擦り付けつつ、気絶する凪ちゃんを見つめる。このままヤッちゃおうかな、なんて思い始めた頃には無意識にズボンのベルトを外していた。 「凪ちゃんは処女だよね?僕が初めてだよね?って、あぁ…気絶しちゃってるんだっけ」 声が聞けないのはつまらないけど、僕の息子が我慢出来ないので仕方ない。 「僕の凪ちゃん、僕だけの凪ちゃん、僕の可愛い可愛い彼女」 半開きになった色っぽい唇にキスをすると、血の味がした。 戻る ×
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