Merry Christmas
今日は一応クリスマスらしい。
私はサンタなんて信じてる年頃なんかとっくに過ぎてるから、クリスマスだからってどうこうするつもりはなかった。
「……あのー、シャニはなんでここにいるの?」
「クリスマスだから」
いや、クリスマスとか関係ないし。
シャニはさっきから私と一緒に、私のベッドに入って早く寝ようと急かしている。
しかもベッドはひとり用だからすごい狭いし。
「シャニさあ、自分の部屋で寝なよ」
「今日くらいいいじゃん、せっかくのクリスマスなんだしさ」
「だから、クリスマスだからって一緒に寝なくていいでしょ」
呆れて言うと、シャニはきょとんとした顔で私を見てくる。
「クリスマスは好きな人と一緒にいるんじゃないの?」
「そ、それはそうかもしれないけど、それ誰から聞いたの?」
「クロト」
あのガキ、シャニにまた変なこと吹き込んで。
私がクロトに苛立っていると、シャニがぎゅっと私を抱きしめてきた。
「シャニ?」
「今日は一緒に寝るよ」
「は?なんでよ?」
「だって、お前のこと好きだし」
そう言って、いたずらに舌をべーっと出すシャニ。
私はシャニの告白に心臓がドキドキ鳴っていた。
「だめ?」
「きっ、今日だけだからね…」
そう言った瞬間、シャニは私をベッドに押し倒した。
そしてすぐに、私の両腕を拘束する。
「シャ、シャニ?この体勢は一体なんでしょう…?」
恐る恐る目の前のシャニに問いかけると、そこにはニヤッと不敵な笑みを浮かべるシャニが。
「今日は眠らせないよ」
「ちょ、ちょっと待ってー!!」
サンタさんのバカ野郎。クロトの大バカ野郎。
翌日、私は酷い腰痛のためベッドから起き上がれなかった。
クリスマスなんて大嫌いだ。