イバラ道


オルガと話してるあいつを見た。
ただ、それだけ。

「ねえ、どうしたのシャニ」
「……なにが」
「なんか、不機嫌な感じがする…」
「へえ?お前でもわかるんだ」

オレの部屋にいるオレ達。
こいつはオレのそばに来ると、隣に座った。

「わかるよ、いつもよりなんか変だもん」
「ふーん」
「なんかあったの?」

なんかあったのって、ふざけんなよ、イライラする。

「…ねえ」
「なに…っ」

オレは強引にこいつをベッドに寝かせ、首に手をかける。
その手にゆっくりと力を入れていくと、こいつは苦しそうに顔を歪めた。

「やっ、シャ…ニ…」
「…あのさ、オレから離れたら殺すよ」

だからずっと、オレのそばに。

「シャ…ニ…」

まだ首を絞め続けるオレの頬に、女は自分の手を添える。

「…あい、して、る」

ふっと、オレの手から力が抜けた。
いきなりの呼吸にむせているこいつの額に、優しいキスを落とす。

「……好き…」
「私も、シャニが好きだよ…」
「…苦しかった…?」
「うん、でももう大丈夫」
「ごめん…」
「いいよ、愛してるから」

そう言って、女はオレの唇にキスを落とす。
さっきまでのイラつきが消えた気がした。

「あのさ」
「ん?」
「オレね、お前のこと愛してる」

だから離さない、絶対に。
オレから離れたときは、優しく殺してあげるから。
これがオレの愛し方。

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