Merry Christmas


「イッエーイ!クリスマスだー!」
「うっせーよ!少しは静かにしろっつーの!」

クロトの部屋で騒いでたらクロトは眉間にシワを寄せ、じろっと私に睨みをきかせてきた。

「クロトこそなんでゲームばっかやってるわけ!?もっと楽しもうよ!せっかくのクリスマスなんだし!」
「なーにがクリスマスだよ!ここ宇宙なんだぜ?雪も降らねえじゃん!」
「それでもクリスマスなんだからクリスマスでしょ!」
「はっ!?わけわかんねえよ!ブワァーカ!」

クロトはべーっと私に舌をだして、すぐにゲームを再開させた。

「またゲームやんの?毎日毎日よく飽きないねえ」
「撃滅!しゅんさーつ!お前ばくはーつ!」
「はっ?」

クロトの言葉に眉を吊り上げた私は瞬時にクロトのゲームを取り上げ、壁に投げつける。

「あー!!てめ、なんて事してんだよっ!」
「いい気味ー」

クロトは床に転がったゲームを拾い、壊れていないか念入りに確認を始めた。

「あっぶねー!壊れてなかったぜ」
「え?壊れてないの?つまんないの」
「ふざけんな!そういう事する奴のとこにサンタは絶対来ねえよ!ブワァーカ!」
「え?クロトってサンタさん知ってんの!?」

私の問いかけにしまった!という顔をするクロト。
ふうん、そういうわけね。

「なーんだ。クロトもサンタさんからプレゼントもらいたいんじゃん」
「バッ、バッカじゃねーの!?プレゼントなんてガキくせえもん僕はいらないよ!」
「心配しなくてもあんたみたいな悪ガキにサンタさんはプレゼントあげないよ!」
「はあ!?」

私の言葉を聞いて、クロトの眉間に一層深くシワが入った。
クロトはゲームの電源を切り、私のほうにずんずんと歩いてくる。

「てめえにもサンタなんて来ねえよ!」
「私はクロトと違っていい子だからちゃんとサンタさん来ますー!」
「はあ!?これだから勘違い野郎は手に負えないんだよねー!」
「なっ!クロトあんたねえ…!」

クロトに言い返そうとした瞬間、私の顔面になにかが押し付けられた。

「ぶっ!な、なにすんのよ!」
「う、うっせーバカ!!」

クロトは私に小さい箱を押し付け、さっさと部屋から出て行こうとしている。

「ちょっ、クロト!これなによ!?」
「ブワァーカ!!ブワァーカ!!」
「はあ!?」

クロトを追いかけようとしたけど、その前にクロトが部屋から出てしまったため、私はしかたなくその場にいることにした。
クロトから押し付けられた、ただの小さい箱を不審に思いながらゆっくり開けてみると。

「…な、なにこれ?」

中には紙粘土で作られたへたくそなサンタクロースが入っていた。
これ、クロトが作ったのかな。

紙粘土で一生懸命サンタさんを作るクロトを想像するとなんだか面白くて、私はいびつな紙粘土サンタをずっと眺めていた。

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