明堂院愛菜が明堂院愛菜である由縁





お日様の光が目に入る。あさが来た。

「うぅん…ふぁぁ」

あくびをして外を見る。

今日はすっかり晴れて入学式日和!


さっ!はやく準備して登校しなきゃ!






私、明堂院愛菜。今日から黒軍の学校に入学するんだ!


可愛い黒いセーラー服に着替えて鏡の前でダーンしてみる。
ずぅっと憧れだった制服なの。



トントン



「愛菜様、お食事の支度が整いました」


扉の向こうからお手伝いさんの声がする。


「うん!今行くね!」


大きく返事してからまた鏡の中の私を見る。


えへへ、今日からどんな毎日がまってるんだろ……?


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひらり、ひらり


校舎を背景に綺麗な桜が散ってる。

開花時期が少し遅かったみたいで、私たちの入学式ぴったりに桜が見頃になってくれた!


なんだか、私たちが祝福されてるみたい……。



ドンッ!



「ふぇっ?!」



ぽぅ……と桜に見惚れてると突然人とぶつかった。
それとおなじタイミングで手首をぐいっと引かれて何かに引き寄せられる。



ぽすっ



気付いた時には誰かの腕の中にいた。


「ふにぃ……」


顔を上げて私はなんにも言えなくなった。


「……!!」


ピンクの背景を背負って私を見つめる真っ直ぐな瞳。銀色の髪の毛と真っ黒の制服がはらはら風に揺れる。
この世界にこの人と私だけのような、そんな気持ち。胸が、掴まれた腕が、あつい。



「わっと!大丈夫か?」


誰かが私にそう言ったけど、私はそれどころじゃなかった。

この人は、私の、運命の人……??


私が見惚れてると、その男の人は私から手を離して心配そうにこっちを見る。


「悪いな、うちの馬鹿が。怪我はないな?」


ステキな声が頭に響く。私は必至にこくこくと頷いた。


「そうか。ならよかった」


そう言ってその人は背中を向けてしまう。
ま、まって!私の運命の人!

そう言いたいけど、声がでないよ…。

その人は私じゃなくて隣のポニーテールの男の人とお話を始める。


「てめぇ、一学年上がるからって調子乗ってるんじゃねぇぞ」
「そんな怖い顔すんなよ宗介ぇ」
「……あ?」
「いっ?!ご、ごめんなさい!」



……あの人、宗介って言うんだ……。


「宗介、センパイ……////」


ハッ!思わず声に出しちゃった!でもでも、それくらい凄くかっこいいよ…。

この一瞬で、宗介センパイが大好きになっちゃった……////


これが一目惚れ、なのかなぁ……////


よしっ!私、決めた!


私、宗介センパイと同じ班になる!!




それで、宗介センパイと……ふぇぇっ恥ずかしいよぉ////







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