同じ
*最終回後設定
目覚めた時、最初に目に写ったのは見慣れたピンク色で。そして自分が目覚めたことに気付くと涙を流して、いつものようにかすかに微笑んで
“おかえり”
とその口は言った。
「刹那は変わったよね。」
「俺が変わった?」
「私ね、前までの刹那だったら帰ってこないかもしれないと思った。...死んで世界を変えた罪を償うだろうなって。
だけどあの時、死なないでって言った時“了解”って答えてくれた。だから変わってくれて凄く嬉しい。」
いつも口下手な彼女としてはよく喋ってくれた。それでもやはり自分の意見を言うのは苦手なようで少し緊張しているようだ。
だけど今は言えるようになった。
「フェルトも変わった。」
「良い意味でとっちゃってもいいんだよね?」
「ああ。」
“そっか”と彼女は嬉しそうに笑った。やはり表情が豊かになった。
自分は確かにこの神という存在に頼りきっている世界を変えたら、その変革を起こした償いとして死のうと思った。
だけど“彼”がそれだけが罪を償う方法じゃないことを教えてくれた。
そして
「“変われ”と言われた。」
「誰に?」
「ニール・ディランディ」
一瞬だけ切なそうな顔をしたがすぐに彼女はまた微笑んで“同じだ”と呟く。
「私もニールがいたから変わりたくなった。変わろうと思った。だから、“同じ”」
本当にあの男は凄い男だと改めて感じた。
だって世界だけじゃなくて2人の人間まで変えたんだから。
そして今でも戦いで忙しい自分たちの心に残っているから。
「怪我治ったらお花持って会いに行こうか。」
「ああ。」
だからお礼くらい言わせてほしい。
END