忠告を君に捧ぐ
カチカチとパソコンをいじっている音で目が覚めた。
時計を見ると深夜3時。気だるい身体を考えるともう一眠りしたいが、一回音が気になったら眠れない。
「ルルーシュ」
「なんだ?起きてたのか?」
「起きてたんじゃない。起こされたんだ。パソコンの音、睡眠妨害だ。」
「いつもは寝ているじゃないか。偶々目が覚めたくらいで被害者面するな。」
そう言って視線を私からパソコンの画面に戻す。何だその言い草は。偉そうに。口のききかたを知らない坊やめ。だいたい抱いた後すぐに仕事に戻るなんて男としてどうなんだ。
相変わらずカチカチと静かな部屋に流れる。しかもパソコンからの画面の光のせいで余計に眠れない。
だんだん頭にきてきた。
ふと視線を下に変えるとパソコンに繋がれているコード。
そうか邪魔なら排除してしまえばいい。
「!!....C.C.」
「ああやっとこれで寝れる。」
「だからといってパソコンのコンセントを抜くな!常識だろう!?パソコンは緊急時以外そういうことはしてはいけないくらい!データが消える可能性が....」
「お前のパソコンは緊急時は対処出来ないのか?まぁお前のパソコンだからしょうがないか。お前は予想外のことがあったらすぐに取り乱すからな。」
図星のようでいきなり黙り出す。普段は達者な口振りなようだが、魔女には通用しないよ。残念だったな坊や。
「さあ、睡眠不足は肌の大敵だ。お前も寝ろ。」
「睡眠不足くらいで肌なんか変わらない魔女のくせに。」
「うるさいな。それにパソコンを見つめているより私を見つめる方が良いだろう?」
そう言ってにっこりと笑ってやる。
半分冗談で、半分本気。
「それはお前が見ていてほしいということか?」
「さあ?どうだろうな。」
「パソコンにやきもちか?」
「まさか。そこまで子供ではないさ。ただの忠告だよ。」
“情事後くらい側にいない男は女は捨てるよ”
そう耳元に近づいて呟いた。
しばらく唖然とした顔をしたが“わかった”と小さな声でいう少年に思わず笑みが出る。
さあ忠告はした。
もう次はないよ、ルルーシュ。
END