友情プレゼント
「しばらく朽木さん貸してね!」
そう石田、井上のほのぼのカップルに言われたのは俺の誕生日の一週間前であって、今日が誕生日だっていうのに未だルキアは俺のそばにいない。文句一つでも言ってやろうか石田はともかく井上に言ってものれんに腕おし、効果がない気がする。多分ニコニコとかわされるんだろう。ある意味最強だ。
とにかくやっぱり誕生日という時に好きな奴にそばにいてもらいたいわけなのに、この仕打ちは酷すぎる。あーもう早く帰ってきてくれよ、愛しき死神様。
力なくベッドに身体を沈めた時、窓をコンコンと叩く音がして、今まさに求めていたルキアの姿がそこにいた。
だけど普段みたいに制服でもシンプルなワンピースでもなくて、夏らしく首元が大きく開いたノースリーブでひらひらのスカートはミニで普段あまり見せない白い肌を映しだしていた。
文句なしに似合っている。
「どうした?呆けて。」
「お前、その服...。」
「井上たちが作ってくれたんだ。ああ、手紙を預かっているぞ。」
花柄のカードには綺麗な字で
“良い誕生日の夜を”
と書かれていた。
ありがたくプレゼントを頂戴したとは言うまでもない。
END