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…それから数日。
私は何とか部活には来ているけれど、日中も部活の休憩時間も蛍くんが私を見ているのを痛いくらい感じるし、きっと怒られるんだろうなとか考えるだけでも嫌だし、自分から話しかける勇気も無くて、結局はずっと蛍くんを避けていた。
「…光璃ちゃん大丈夫?最近元気ないから、俺も皆も心配してるんだよ?」
部活中、菅原さんが私の傍に来てそっと顔を覗きこんでくる。
「月島と関わりにくいのは分かるけど、ご飯はちゃんと食べなきゃダメだろ?…酷い顔してる」
「…すみません、」
「あいつも素直じゃないから困るんだよな〜…って、光璃ちゃん!?」
…ああ、どうしよう。
菅原先輩、まだ喋ってるのに。
体に力が入らない…視界が暗くなっていく…全ての音が、遠ざかってゆく…。
誰かが私を呼ぶ声が、頭の奥で木霊した。
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