あんさつ。 | ナノ

84

烏間先生の知らないところで、かなり話が大きくなってきた“烏間先生とビッチ先生をくっつけよう作戦”は、何故か烏間先生の堅物さを巡っての軽い悪口に発展していた。

『…』
業「あれ?ビッチ先生慰めに行かないの、結花?珍しく何も喋ってないじゃん」
『うーん……烏間先生も大変なんじゃないかと思って…』

私はみんなの輪の中には入らず、少し離れた所で考え事をしていた。
元々あまり興味がなさそうだったカルマくんは、私を見つけると不思議そうに(若干心配そうな顔もして)近付いてきた。

業「え、烏間先生?ビッチ先生じゃなく?」
『うん』
業「…?」

…結局、ディナーのセッティングとお姉さまのスタイリングをする方向で話はまとまり、私たちも移動した。

『…』
神「あれ、珍しいね結花ちゃん。ビッチ先生関係のことだからもっと張り切ってる思ってたんだけど…具合でも悪いの?」
『ううん、大丈夫。ちょっと考え事してただけだよ。…有希子ちゃん…またカルマくんと似たようなことを…(汗)』

女子があれこれとお姉さまの服を考えたり髪を結んだりしてる中、やっぱり私は部屋の隅でそれをぼんやりと見ていた。

神「業君と同じことを考えてたんだね、きっと。だって結花ちゃんにしては珍しいし」
『うーん………あのね、有希子ちゃん…』
神「…?」

私は思っていたことをこっそり話してみた。

神「うーん……いくらなんでも、烏間先生もそこまで仕事人間じゃない気が……でも地球滅亡がかかってるくらいだから……」
『…あり得ると、思う?』
神「…なくはない、と思う…」
神「『うーん…』」

…二人で部屋の隅で頭を抱えた。
prev|next

[ text toptop ]