あんさつ。 | ナノ

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渚「鷹岡先生、ありがとうございました」

最後にはやっぱり笑顔で、渚くんはそう言った。

『渚くん…よかった…!!』
渚「いたっ…痛いよ、結花!とりあえず離れて…」

戻って来た渚くんに泣きながら飛びつくと、(そういえば)体中を殴る蹴るされていた渚くんはやんわりと私を押し返した。
渚くんから離れても尚、「うわ〜ん」という表現がぴったりな声で泣く私を、カルマくんがいつものように宥める。
烏間先生がヘリを呼び、毒使いのおじさんを連れてこようと踵を返した。

銃「ガキ共、このまま生きて帰れるとでも思ったかい?」

屋上の出入り口の扉の前に、殺し屋トリオが立っていた。銃のおじさんが銃を咥えたままそう言う。…っていうか、毒の人もいるじゃん。行く手間が省けてよかったね。
やられた仕返しに来たのかと思ったら、殺し屋トリオにはもう戦意が無いことが判明。
しかもウイルスだと思っていたのは実は食虫毒を改良したもので、安静にしていればあと数時間で治るんだとか。

『あのっ…ありがとう!』

呼んでから数分で来たヘリに乗り込む3人に、私はお礼を言った。

『あなた達がその判断をしてなかったら、私たちはたくさんの友達を失くしてた。だから、ありがとう!』
銃「さっきも言ったが、俺たちは自分の為に冷静な判断をしただけだ。…ま、そーいうこった、ガキ共!!本気で殺しに来て欲しかったら偉くなれ!!」

銃の人が落として(ばら撒いて?)行った弾入りの薬莢の一つを拾い上げ、去っていくヘリを見送る。…これ、記念に貰っていいかな…。
そのあと、私たちも別のヘリに乗って皆の所に戻った。有希子ちゃんたちに「もう大丈夫だよ」って伝えて、栄養剤を渡して。

神「お帰り、結花ちゃん」

にっこり笑って有希子ちゃんがそう言ってくれて、やっと終わったんだなぁって思った。
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