あんさつ。 | ナノ

78

殺せんせーが指示を出して皆を動かしてくれたお陰で、敵は混乱していた。
…そして。

殺「出席番号12番!!立って狙撃!!」

   ドンッ
菅谷くんが作ったダミーの人形を撃ったおじさんの隙を狙って…
   ドキュゥン
千葉くんがステージの方に向かって撃った。自分が撃たれると思っていたおじさんは、狙いが外れたと思って笑っている。…けど、違う。千葉くんが狙ったのはおじさんじゃない。だって…殺せんせーは、殺す事は許さないと言っていたから。
照明器具に押し潰された銃のおじさんが悪あがきで構えた銃を、凜香ちゃんが撃ち落とし無事終了。おじさんは他の人と同様にガムテープでぐるぐる巻きにされた。

業「結花、怖くなかった?」
『うん、大丈夫』

いつの間にか隣に立っていたカルマくん。
…もー、過保護なんだから。
それにしても二人ともかっこよかったなー…。

凛「ありがとう、結花ちゃん」
『!』

気付けば近くに凜香ちゃん。
…あれ?今、“ありがとう”って言わなかった?

『…もしかして声に出てた?』
凛「うん。バッチリ」
『………』

…恥ずかしい…。



―――――
―――



9階の階段に、腕を組んで立っていた見張り。それを後ろから引っ張って…
   きゅっ
!?今、“きゅっ”って音がしましたけど!?何だか可愛らしいけど不吉な音がしましたけど、烏間先生!?

烏「まだ力半分ってところだがな」

…力半分で人ひとり絞め殺…じゃなくて気絶させちゃったよ、烏間先生…。
烏間先生のその怪力に、軽くひいていた時。

律「皆さん、最上階部屋のパソコンカメラに侵入しました。上の様子が観察できます」

律が携帯の画面に出て来てそう言った。
画面に映る部屋の中には、一人の男の後ろ姿。
…この人が、皆を…。
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