あんさつ。 | ナノ

69

班ごとに別行動で、殺せんせーの相手と暗殺の下見を同時にする。
1つの班が殺せんせーと遊ぶ間、他の班は計画通りに暗殺が出来るかどうか、チェックして回るのだ。
…さて、私たちの班は船でイルカを見に行く。少し殺せんせーに酔ってもらおう…という企みが無かったわけではないけど…。まさか、お魚さんスーツでイルカと一緒に泳ぐとは思わなかった。
イルカもびっくりしてるよ、殺せんせー!!


―――――
―――



船上レストランで夕食を食べた後、水上パーティールームで殺せんせーを弱らせ、殺す。…簡単なように思えるけど、綿密に複雑に練られた計画。殺せんせーと一緒に過ごしてきた皆だから分かる弱点を、フル活用した計画。何処にも隙なんて無いように見える計画。
…なのに、なぜか私は、今回殺せんせーを殺せないような気がしていた。

業「結花、頑張ってね。俺はフライボードらしいから、外にいるけど」
『うん。あとでね、カルマくん』

国語でトップだった私は、小屋に残って殺せんせーの触手を破壊しなければならない。カルマくんとは一旦お別れらしく、私は額にキスしてくれたカルマくんに手を振った。
…殺せんせーを油断させるためには先ず、精神攻撃をすると渚くんが言っていた。何か映像を見るらしいけど…精神攻撃…?
“3年E組が送る、とある教師の生態”…?タイトルを見て首を傾げたけれど、すぐにどういう事か分かった。エロ本を読んでいる殺せんせー、女装してケーキバイキングに並ぶ殺せんせー、ティッシュを唐揚げにして食べる殺せんせー…。
確かにこれは、殺せんせーにとってかなりの精神攻撃になる。…んだけど…何だかだんだん可哀想になってきた…こんな映像を1時間も…。
映像を見終わる頃には、殺せんせーはすっかりやられていた。精神も、触手も。…小屋の床は、水びたしだった…。
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