あんさつ。 | ナノ

68

A組にテストで勝った戦利品。沖縄離島リゾート2泊3日。この夏の最大イベントにして、殺せんせーを殺すチャンス!!…と皆が燃えていた。

『船に乗るってことはー…酔い止め要るよね。2箱くらい持ってこっと』
業「へー、結花って乗り物酔いとかするんだ?」

明日出発だというのに、カルマくんはいつも通り私の家で寛いでいる。…一つだけ普段と違うのは、カルマくんが大荷物を持って家に来たこと。カルマくん曰く、「荷物取りに家に帰るの面倒くさい」と。要するに、今夜は家にお泊りするって。
…うちの親は満面の笑みでカルマくんを迎えてたから、カルマくんはちょっと機嫌がいい。
そんなカルマくんを横目に、私は荷物の準備を進める。
皆は暗殺に必死みたいだけど、私は普通に旅行が楽しみだった。


―――――
―――


…東京から六時間。
デロデロに酔っている殺せんせーを見て、酔い止めを持って来て本当に良かったと心の隅で思う。
6時間も移動してたら暇なんじゃないかと思ってたけど、有希子ちゃんとお喋りして、お姉さまが見せてくれた衣装の豪華さにびっくりして、カルマくんとお昼寝してたら、あっという間に着いた。
青い海と青い空に挟まれた緑の島は、なんだかとっても南国っぽい。…ちゃんと日焼け止めを塗って行かなきゃ。
殺せんせーのアロハシャツ。ビーチに生えているヤシの木。出されたトロピカルジュース。海底が見えるほど透明な青い海。…うん、やっぱり南国だ。
私はマンゴーとか苦手だから、トロピカルジュースなんて飲めないけどね!!何で普通にオレンジジュースとかにしてくれなかったんだろう…とか思ってないよ!!

業「結花、何を一人で呟いてるの?」
『え、あ、何でもない!!』
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