あんさつ。 | ナノ

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教科ごとの1位。それが今回の期末テストで、殺せんせーが私たちに掲げた目標だった。学年1位を取った人は、先生の触手を一本破壊できる、と。

神「国語、一緒に頑張ろう、結花ちゃん!」
『うん!!』
業「あーそっか。二人とも得意教科一緒なんだよね」
『うん!打倒、榊原くん、浅野くん!ね、有希子ちゃん☆』
神「う、うん…(汗)」
業(結花、気合入ってんなー。神崎さんちょっと引いてるよ…)
杉「お、気合入ってんじゃん、時雨。じゃあ放課後、図書室で勉強しないか?」
『図書室って、本校舎のだよね…。カルマくんは?』
業「俺パス」
『じゃあ私も行かない…。あ、有希子ちゃんは行っておいでよ。あそこ、快適だし。勉強はかどると思うよ』
神「…?うん…」

有希子ちゃんと気合を入れていると、カルマくんが来た。私の頭にぽん、と手を置いて私に笑いかける。…あれ、なんか苦笑いになったかも…?
と、そこに杉野くんが来た。ちょっと自慢げに、本校舎の図書室の予約表を持って。…抜かりないというか、準備が良いというか…。修学旅行の時の有希子ちゃんもそうだけど、用意周到って感じ。
でも本校舎…しかもこの時期の図書室。“あの人”に遭う確率は高い。カルマくんが行かないとなると…行きたくない。
でも杉野くんはきっと、有希子ちゃんと一緒に勉強したいだろうから…という理由で有希子ちゃんには勧めたけど、逆に変な顔をされてしまった。「そんなに勧めるのに、どうして自分は行かないんだろう」って、顔に書いてるよ有希子ちゃん。…杉野くんはキラキラした目で私を見てるけどね。

業「俺に合わせなくてもいいのに。いいの?」
『うん。元クラスメイトに会うのも嫌だし…』

…何よりも一番、あの人に会いたくない…。
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