あんさつ。 | ナノ

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ようやく立てるようになって、木の陰から様子を見ていた。
カルマくんが作戦を立てて、イトナ君たちを追い払うらしい。
寺坂くんがイトナ君の注意を引きつけ、その隙に殺せんせーが原さんを助ける。と、同時にカルマくんは皆に合図し、皆はイトナ君に水を浴びせる為に飛び込む。
…カルマくん、かっこいい…。こういう時、カルマくんは本当にかっこいいと思う。…んだけど、私も皆の中に加わりたかった…。
でも出て行ったら確実にカルマくんに怒られる。水に飛び込んだりしたら…後で何されるか、怖すぎて考えたくもない。
結局私は、イトナ君たちが去っていくのをただ見ていた。
あ、カルマくんが水の中に引きずり込まれた。皆がカルマくんに集ってる今なら、きっと気づかれない。

『大丈夫ですか、殺せんせー?随分とたくさん水を吸ってしまってますね。絞るの手伝いましょうか?』
殺「おや時雨さん、あなたは水に入ってなかったんですね」
『はい、ちょっと…あまり動けない状況だったので…』

…苦しい!誤魔化すの苦しすぎるよ!!

渚「カルマ君と一緒じゃないんだね、結花。まぁ、カルマ君が結花に飛び込ませるとも思えないけど」
『ハハ…(汗)』

殺せんせーの触手の一つを絞りながら、渚くんの言葉に苦笑いする。
そもそもカルマくんは、ここに来ることすら許してくれなかったけどね!!
バシャバシャと皆に水をかけられて、寺坂くんとじゃれ合って、びしょびしょになったカルマくんを見ていたら、まぁいっかって思えた。

業「…結花?あっちにいてって言ったよね…?」
『ヒィッΣ!?』

…まぁいっか…って思ってたのは私だけでした。
ブラックスマイル+全身ずぶ濡れのカルマくんにお仕置きされたけど、それはまた別のお話。
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