あんさつ。 | ナノ

55

ドカンッ

業「『!?』」

地面が揺れるほどの地響きと、爆発音。
甘い空気はどこへやら、私とカルマくんは顔を見合わせた。
…息が苦しくてもう少しで意識が飛びそうだったから助かった…なんて、思ってないんだからね!!(何故かツンデレ)

業「プールの方から音がしたよね?ちょっと見てくる。結花はここにいて?」
『え…やだよ。私も一緒に…』

何故か私を置いて行こうとするカルマくんにギョッとして、慌てて立ちあが………アレ?立ち…あがれない……?

業「キスしただけですっかり腰抜かしちゃって…結花かわいー」
『…//』

カルマくんは私が立てないことに気付いていたのかな…。にしても置いてけぼりなんて嫌だ。

業「…ップ…冗談だよ、結花。置いて行ったりしないって」

吹き出したカルマくん。私をからかっていたのか。…酷い…。

業「ほら、行くよ?」

カルマくんに姫抱きにされ、爆発音のした方に向かう。
…本当は顔から火が出るほど恥ずかしかったけど、1人じゃまともに動けないだろうから大人しく掴まっていた。

業「…何コレ?」
『…プールが…ない…?』

プールが“あった”場所は、ただの岩場に変貌していた。

業「何がどうなってんの?…とりあえず、降ろすね結花」
『うん。ありがと…//』

近くの木の根元にカルマくんが私を降ろしたところで、呆然と立っている寺坂くんを見つけた。
prev|next

[ text toptop ]