あんさつ。 | ナノ

51

プールがめちゃめちゃにされたって、皆で慌てて見に行った。

『わー…本当にぐちゃぐちゃだ…。ゴミまで浮いてるし。…あ、お姉さまだ』
ビ「結花っ!!せっかくの私の水着デビューが…っ!」

バスタオルを巻いて茫然と立っていたお姉さまを見つけると、お姉さまも私に気付いて泣き付いてきた。
…うん。お姉さまの胸大きい。息できない。苦しい…。

業「ちょっと、俺の結花から離れてよ、ビッチ先生。結花のこと殺す気?」
ビ「何よ業。邪魔しないでくれる?私の結花を取ろうなんて100年早いのよ、ガキ」
『…あ、あの…』

…もうプール関係なくなってるし。
私を挟んで喧嘩を始めた二人に右往左往しているうちに、殺せんせーが直したんだと思うけど…。…何故私を助けてはくれないのだろうか。一応担任なのに。
…有希子ちゃーん!苦笑いしてないで助けてー!!…ん?何なに…?
“が・ん・ば・れ”…?
ぱくぱくと口を動かしてそれだけ言うと、有希子ちゃんは校舎の方へ行ってしまった。
…あれ?いつの間にか皆もいなくなってるし!…皆酷いよ…(泣
プールが直ってることに気付いたカルマくんは、何か悪いことを思いついたみたい。(視線が一旦プールに向いた後、悪戯するときの目になった)

業「まぁまぁ。せっかく水着着てんだしさ、ちょっと泳ぎなよビッチ先生」
ビ「?」

にやり。と笑ったあと、疑問符を浮かべるお姉さまの両肩を押してプールに突き落としてしまった。

『ちょ、カルマくん、』
業「行こう、結花」

カルマくんは、あたふたしながらお姉さまとカルマくんを交互に見る私の手を掴み、歩き出す。

ビ「覚えてなさい!赤羽業!!」

プールから顔をだし悔しそうにカルマくんを睨みつけるお姉さまに、心の中で謝った。
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