あんさつ。 | ナノ

49

プールの時期になりました。

『…プール…嫌い…』
カ「結花も?仲間だぁー。私も泳げないんだよ」

…意外なところで仲間発見。
殺せんせーが裏山の沢に涼みに行くと言うから水着に着替えたけれど、やっぱり憂鬱。
ぶつぶつと、カエデちゃんと二人で愚痴を言いながら歩いた。

カ「って言うか、裏山の沢に行くだけなのにわざわざ水着に着替えなくてもいいのにね」
『確かに。すごく小さいし、水着になる必要もな………って、え!?』

目の前に見えてきたのは、想像していた小さな水の流れではなく…岩の間にある綺麗なプールだった。
みんなが喜んで飛び込むなか、私とカエデちゃんは浮き輪に乗ってプカプカと浮く。…思ったんだけど、さっきからやたらと殺せんせーがうるさい。

倉「カタいこといわないでよ、殺せんせー。水かけちゃえ!!」

陽菜乃ちゃんが、軽くぱしゃりと殺せんせーに水をかけた。…だけなのに、皆が引くほどの悲鳴を上げた殺せんせー。追い打ちをかけるようにして、殺せんせーの座っているイスを揺らしたカルマくんに、慌ててイスにしがみついている。

カ「『………』」

きっと、この場にいる全員が思ったこと。

カ「!あ、やばっ!バランスが…」
『カエデちゃん!っきゃぁ!!』

カエデちゃんがバランスを崩し、とっさに手を伸ばした私もバランスを崩し、結局二人で水に落ちた。
…どうしよう。息苦しいよ…。

ギュッと目を瞑る瞬間、慌てたように私を呼ぶカルマくんの声と、プールに飛び込む二つの影が見えた。
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