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帰って行った理事長。
微妙な空気が漂うE組。
…私の手を握ったままの、カルマくん。
『…カルマくん…あの…』
業「…結花は、」
何か言わなければ。そう思って口を開いたものの、結局は言葉に詰まってしまう。すると代わりに口を開いたかのように、カルマくんが静かに声を出した。
業「…戻りたい?あっちに…」
『…っ嫌…!!』
少し俯き気味のカルマくんの言葉に、条件反射のように素早く首を振る。
『…戻りたく、ない…。ここにいたいよ。…お願いカルマくん…戻れって言わないで…嫌いにならないで…?』
…私がE組に来た理由。
先生が信じられなくなった理由。
本校舎に戻りたくない理由。
…全部、同じなの。
業「…結花…ごめん、変なこと聞いて。ちょっと、不安になった。…大丈夫、戻れなんて言わないから。そんな顔しないで?結花のこと、嫌いになるわけないじゃん」
ね?と微笑み、そっと私の頬に手を添えたカルマくん。
その親指が優しく私の目を撫でた。
…私…泣きそうだった…?
業「殺せんせー、次サボるわ。結花と喋ってくる」
『えっ!?』
それはつまり、私もサボる…と?
いやでも、殺せんせーはちゃんと引き止めてk…
殺「分かりました。次は国語ですし、結花さんなら休んでも問題ないでしょう」
殺せんせー!?教師がそんなんでいいのー!?
業「さ、行こ?結花」
…た、助けてー!!