あんさつ。 | ナノ

47

帰って行った理事長。
微妙な空気が漂うE組。
…私の手を握ったままの、カルマくん。

『…カルマくん…あの…』
業「…結花は、」

何か言わなければ。そう思って口を開いたものの、結局は言葉に詰まってしまう。すると代わりに口を開いたかのように、カルマくんが静かに声を出した。

業「…戻りたい?あっちに…」
『…っ嫌…!!』

少し俯き気味のカルマくんの言葉に、条件反射のように素早く首を振る。

『…戻りたく、ない…。ここにいたいよ。…お願いカルマくん…戻れって言わないで…嫌いにならないで…?』

…私がE組に来た理由。
先生が信じられなくなった理由。
本校舎に戻りたくない理由。
…全部、同じなの。

業「…結花…ごめん、変なこと聞いて。ちょっと、不安になった。…大丈夫、戻れなんて言わないから。そんな顔しないで?結花のこと、嫌いになるわけないじゃん」

ね?と微笑み、そっと私の頬に手を添えたカルマくん。
その親指が優しく私の目を撫でた。
…私…泣きそうだった…?

業「殺せんせー、次サボるわ。結花と喋ってくる」
『えっ!?』

それはつまり、私もサボる…と?
いやでも、殺せんせーはちゃんと引き止めてk…

殺「分かりました。次は国語ですし、結花さんなら休んでも問題ないでしょう」

殺せんせー!?教師がそんなんでいいのー!?

業「さ、行こ?結花」

…た、助けてー!!
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