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鷹岡先生が新しい時間割だと言って紙を配った。
『…!?』
神「なに…これ…」
渚「夜9時まで…訓練…?」
みんな驚きすぎて声も出ない。
鷹岡先生は理事長から許可をもらったと言うけれど、こんな時間割じゃ私たちの成績が下がる一方だ。…だからこそ理事長は快く許可したんだろうけど。
そんな事は鷹岡先生以外、ここに居る全員が分かりきってて。
「できるわけない」と抗議した前原くん。クラス全員の心の声を代弁したようなものだったのだけれど…鷹岡先生は眉一つ動かさずに前原くんの頭を掴み、お腹に強烈な膝蹴りを食らわせた。
『…っ!!』
鷹「言ったろ?俺達は“家族”で俺は“父親”だ。世の中に…父親の命令を聞かない家族がどこにいる?」
そんな…ただの独裁者だ。父親なんかじゃない、こんなの。
鷹「な?おまえは父ちゃんについてきてくれるよな?」
『有希子ちゃん!!』
だめ…有希子ちゃんにとって“父親”は恐怖の対象なのに…!
神「…は、はい、あの…私……」
震えてる。…有希子ちゃん…きっとすごく怖いはず。
きっと逆らったら殴られる。
有希子ちゃん…嘘でいいの。心から思わなくていいから…“YES”と答えて…!!
神「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」
『…っ!!』
どうして、有希子ちゃん…!
バチッ
『っ有希子ちゃん!!』
慌てて駆け寄って、抱え起こした。
殴られた頬は赤く腫れていて、あまりにも軽々と吹き飛んだ体は、きっと全身を打ったはず。
…ひどい。こんなの、先生じゃないよ…。