あんさつ。 | ナノ

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体育の時間…。
烏間先生にナイフを当てる訓練で、私はカルマくんと(カルマくんがサボる時は有希子ちゃんと)組んでやる。
…この二人なら、何となく考えていることが分かるっていうか…。
カルマくんと組むと、片方が攻撃してる隙にもう一人が虚をつく形になる。有希子ちゃんだと、シンクロしてるみたいに全く同じ動きで攻撃する。…カエデちゃんに「双子みたい」って笑われた。
ちなみに今日はカルマくんがサボってたので、有希子ちゃんと一緒。

烏「時雨と神崎は二人だと手強くなるな」

ナイフを当てて有希子ちゃんと二人で地面に座り込むと、烏間先生は苦笑しながら私たちの頭にポン、と手を置いた。
烏間先生曰く、「二人で全く同じ動きをされると、逆にどう動いていいのか分からなくなる」らしい。
…今度はカルマくんと三人でやってみたいなぁ。とか思っていると、有希子ちゃんが隣でクスッと笑った。

神「業くんがいなくてよかったね。絶対に烏間先生に怒ってたと思うよ」
『…あ、』

そういえばそんなことがあったっけ。
有希子ちゃんに、烏間先生が私の頭に手を置くのは二度目で、前回の時は確かにカルマくんが怒っていたことを話すと、「やっぱり」と笑っていた。…いやいや、笑いごとじゃないからね?

『…ん?有希子ちゃん、あんな人いたっけ?』
神「…ううん。初めて見る人だよ。…誰だろう。もしかして…また殺し屋…?」
『え゛…』

また…?今はお姉さまのこと皆慕ってるけど、最初は色々と大変だった。
また学級崩壊するのは…ちょっと…。
学校に来たばかりの頃のお姉さまを思い出し、有希子ちゃんと顔を見合わせる。
…どうか、まともな人でありますように…!!
そんな祈りが通じたのか、大きな体格のその人は、やけに愛想よく自己紹介をした。しかも、両手に持っていたのは様々な有名店のスイーツ。…女子も目をハートにしてるけど、きっと一番キラキラした目なのは殺せんせーだと確信して、二人で見に行った。
((あ、やっぱり))
物凄い勢いでスイーツを口に放り込む殺せんせーを見て、有希子ちゃんと笑った。
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