あんさつ。 | ナノ

39

また悪戯っ子の顔になったカルマくん。磯貝くんに声をかけて…。

『…えっ』

歩き進めて止まった場所は、集中力MAXの進藤君の目の前。…そんな所にいたらバットに当たって怪我しちゃうよ!

神「…大丈夫だよ、結花ちゃん。業くんたちならそれくらい躱せるよ。殺せんせーだって、生徒を危険な目に遭わせたりしないでしょ?」
『う、うん…』

ハラハラする私を他所に、杉野くんが一球目を投げる。
…カルマくん…!!
…見てられなくて、思わず目を閉じてしまった。
   ズバーン
…グローブにボールが吸い込まれた音がして恐る恐る目を開けると、ちょうど進藤君を小馬鹿にしてナメた顔で挑発するカルマくんが視界に入った。
…なんか…進藤君が可哀想に見えてきたんだけど…。汗だらだらで震えてるよ、スーパースター…。
そんな調子でボールを打ってしまって、カルマくんに即キャッチされ各塁に回されたボールで、ゲーム終了。

神「すごいね、男子。勝っちゃったよ!」
『うん!…すごくドキドキしたけど…』
神「…あ、」
『?』

ハァ…とため息を吐いた私の後方を見て、何かに気付いたような有希子ちゃん。何だろう…と思ったその時、

業「何にドキドキしたの?」
『っカ、カルマくん!!』

ポン、と頭に置かれた手と共に声がした。
声の主は、私をドキドキさせてた張本人。

神「結花ちゃん、業くんのこと心配してたんだよ」
業「心配?…あぁ、さっきの守備?あんなの朝飯前なのに。結花かわいい〜」
『有希子ちゃん!それを言わないでっ(泣)』

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