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『球技大会…かぁ…』
正直、スポーツはあまり好きじゃない。
だって、動くの面倒臭いし。
いや別に全くできない訳でもないけど…。
特に、E組の球技大会は悲惨だしね。
でも…
メ「良い試合して全校生徒を盛り下げるよ。ねー皆」
うーん…メグちゃんがいるからちょっと楽しそう…。
メグちゃんはリーダーとかそういうの向いてるし、頼りになるし。
律「お任せを片岡さん。ゴール率100%のボール射出器を製作しました」
メ「あ…いや、律はコートに出るにはちょーっと四角いかな…」
律すごいなぁ。けど残念。律は試合には出られないだろう。…メグちゃん苦笑いしてるし。
…男子は、野球。
野球といえば杉野くんだけど…
前「野球となりゃ頼れんのは杉野だけど、なんか勝つ秘策ねーの?」
杉「……」
少し俯いた後、
杉「…無理だよ。最低でも三年間野球してきたあいつらと…ほとんど野球未経験のおれら。勝つどころか勝負にならねー」
諦めたように笑う杉野くん。…だけど、
杉「だけどさ…殺せんせー」
その目は、完全に諦めた表情をしていなかった。
杉「“だけど”勝ちたいんだ、殺せんせー。善戦じゃなくて勝ちたい。好きな野球で負けたくない。野球部追い出されてE組に来て…むしろその思いが強くなった。…こいつらとチーム組んで勝ちたい!!
…まぁでも、やっぱ無理かな殺せんせー」
…杉野くんが話し終えるころには…先生はすっかりやる気満々だった。