あんさつ。 | ナノ

32

お昼休み。
カルマくんが気付いて、いつの間にかクラスの皆で見守っていた、お姉さまの暗殺。
気を利用したワイヤートラップに不意を突かれた烏間先生。
上を取ったお姉さまに、クラスの人たちが歓声を上げた。
…だけど、間一髪のところでナイフを止める烏間先生。
どうするんだろう…男と女の力勝負じゃ、勝てないのに。
………どうやら普通にお願いしたみたいです。
呆れたような顔をした後、ナイフを止めていた手の力を緩めた烏間先生。ナイフは烏間先生の胸に当たり、ぐにゃりと曲がった。
本日2度目のクラス中の歓声に、今度は私も笑った。

カ「よかったね、結花!」
『うん!』

カエデちゃんたちと笑い合って、カルマくんに頭を撫でられる。

渚「…ところでさ、結花」
『うん?』
渚「どうして結花はビッチ先生に嫉妬しないの?」
カ「あ、それ気になってた!!」

あー…そう言えばそんな話をしたような…。
興味あり気な渚くんと、思い出した様にハッとするカエデちゃんと、「そういえば」という顔の杉野くんと有希子ちゃん。あと、ちょっと不機嫌そうな顔になるカルマくん。

『えっと、それはね………んー…やっぱり内緒』
「「「えー!」」」

にこっと笑うと不服そうな声が複数上がった。
…あれ?有希子ちゃんはにこにこしてる。

『有希子ちゃんは分かってるの?』
神「うん。何となくだけどね」

こっそり話すと、いつものおしとやかな笑みが返ってきた。

神「…でも結花ちゃん、何か言わないと赤羽君が更に拗ねちゃうよ?」
『あ、ホントだ』

有希子ちゃんの笑みに少しだけ苦笑が混じり、カルマくんを見ればたしかにさっきより不機嫌そうな顔になっている。
これはまずい。何か言わないと。

『…あ、でも。カルマくんが私のこと好きなのがいつも伝わってくるから、不安になって嫉妬したりしないのもあるよ』

そう言えば、パッと表情が明るくなったカルマくんと、何だか暖かい笑みを浮かべる渚くんたち。
…カルマくんの機嫌が直ってよかった。

(ねえ結花ちゃん、ビッチ先生に嫉妬しない理由って、)
(うん)
((ビッチ先生は烏間先生が好きだから))
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