あんさつ。 | ナノ

24

殺せんせーの言葉で、何処か吹っ切れたような有希子ちゃん。

『そうだよ。E組みたいなところでも、有希子ちゃんが美人で人気なのは変わらないって!』

班のみんなと、歩いてホテルに向かっていた。

カ「…うん…。なんか違うよ、結花…」
渚「おしいとは思うんだけど…」
業「結花は天然だからね」
神「はは…確かに」

うーん…と残念そうに唸るカエデちゃんと渚くんと、苦笑する有希子ちゃん。…カルマくんも多少はスッキリしたらしく、いつものように私の頭をポンポンと撫でていた。

神「あの状況でトランプっていう発想が出てくるのは、ある意味すごいよ…」

有希子ちゃんが、私と不良のやり取りをみんなに説明した。

業「…え?」

途中で、私の頭を撫でていたカルマくんの手がぴたりと止まる。

『…カルマくん…?』
業「…結花…胸、触られたの?」

顔を上げれば、再び怒りオーラ全開のカルマくんに、私は黙って頷いた。

業「…」

私の反応を見るが早いか、踵を返すカルマくん。

『カルマくん、どこ行くの!?』
業「…結花はみんなと一緒に戻ってて。俺、ちょっと殺してくる」

…シャレになってないよ!怖すぎる!!

『カルマくんっ!!』
杉「おい、カルマ。落ち着けよ」

カルマくんの肩に手をかけた杉野くん。杉野くんによって振り向かされたカルマくんは、見たことがないくらい顔を歪めていた。…怒りと、悲しみと、悔しさ。
瞳には殺気の混じった怒りが表れているのに、唇を噛みしめ拳を握っている。…爪が食い込んでいるらしく、拳からは血が滴り落ちていた。
prev|next

[ text toptop ]