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俺らも混ぜてって…イヤです。こんな人たちと一緒にお買い物…ナイナイ。想像しただけでキモい。うん。
『誰があなた達みたいな人と…っ!』
見上げながら睨みつけると、頬を殴られた。
神「結花ちゃん!!」
後ろにあったソファに頭を叩きつけられた私に、有希子ちゃんが悲鳴を上げる。
不良「調子乗ってられんのも今の内だぜ?仲間も呼んどいたからよ、俺らと夜まで遊ぼうぜ」
ニヤリと笑う不良。
…遊ぶって…トランプとか?でも仲間呼んだって言ってたし…スポーツかな?まさか…多対2でサッカーとか…?…いじめだよぅ。
神「…結花ちゃん…全部声に出てるよ」
『え!?』
は…恥ずかしい…。
不良「なんだよ…遊び方が分からないなら言ってくれれば教えてあげるって!…ホラ、」
『Σ!?』
不良の手が真っ直ぐ私の胸に伸びてきた。
鷲掴みにされ、厭らしい手つきで触ってくる。
『やっ…触らないで!!やだぁっ!!』
気持ち悪いよ…怖いよ…カルマくん、助けて…っ!
ギィ…
不良「お、来た来た」
ギュッと目をつぶって心の中でカルマくんに助けを求めた。…それと同時に開いた扉に、不良たちが振り返る。
そこには、既にボコボコにされた不良の仲間と、それを放るカルマくん達。
『カルマくんっ!!』
業「結花!」
私たちに気付いたカルマくんが、私と有希子ちゃんの縄を解いてくれる。
業「無事…じゃなさそうだね。頬、赤くなってる。…殴られたの?」
『うん…。でも大丈夫だよ。カルマくんが来てくれたから』
私の頬を心配そうに撫でるカルマくん。…よかった、何とも無くて。
安心して微笑むと、カルマくんは急に泣きそうな顔をした後、私を引き寄せた。
業「…護ってあげられなくて、ごめんっ…」
『カルマくん…』
頭と腰に回された腕に力が入るのを感じる。
…カルマくんは悪くないのに…。
『…どうして謝るの?助けに来てくれたのに』
私はカルマくんの頭を撫でるついでに、殴られたところがどうなっているのか確認した。
…あ、ちょっと腫れてる。
業「…結花、ちょっとここで待っててね。あいつらに、お仕置きしてくる」
そっと私を開放したカルマくんは、私に顔を見せなかったけれど確実に怒っていた。…付き合ってからそれなりに経つもん。声だけでもわかるよ。
みんなは殺せんせーに渡されたしおりで不良の頭を一撃なのに、カルマくんだけは素手で不良たちを殴っていた。
みんなはともかく、殺せんせーまでそれを止めないのは教師としてどうなんだろう…とか思ったのは内緒。
『…カルマくん、』
気絶しかけているような奴まで蹴り飛ばすカルマくんは、いつものように笑みを浮かべてはいなかった。