あんさつ。 | ナノ

19

修学旅行当日…。
とりあえず文句を言おう。
殺せんせー、しおりが重すぎです。
一応しおりだから、キャリーに入れずリュックにしまってある。
…肩痛いよぅ…。
…あ、お姉さまだ。流石、セレブみたいにキラキラしてて派手。…烏間先生に着替えさせられちゃったけど。
…あれ…?電車が動き出したのに、殺せんせーが見当たらない…。
先生、結構大きいから目立つと思うんだけどなぁ…。

業「結花?どうかしたの?」
『殺せんせー…いないみたいなの』

別に用事は無いけど…一応担任だし。何かと面白いし。いてくれた方が心強いし…。いなくなったら困る…と思う。

渚「うわっ!!」
『!?』

…び、びっくりした…。渚くん、どうしたんだろう…。

『あ、』
業「…いたね。殺せんせー」

べったりと窓に張り付いている殺せんせー。
…スウィーツって…女子じゃないんだから…。
菅谷くんが先生の鼻を削ってあげてた。
手先の器用な菅谷くん。絵もすごく上手なんだよね。
旅行に行くと、普段は知らない皆の一面が見えてきたりする。

『ねぇ、カルマくん』
業「なに?」
『旅行、楽しみだね』
業「うん」

にっこりした私の頭を、くしゃくしゃと撫でてくれたカルマくん。
…カルマくんは隣の座席で。班で座席決めをするとき、皆が声を揃えて言ったの。

「「「「カルマ(くん)と結花(ちゃん)はセットね」」」」

って。カルマくんは当たり前って顔してたけど、私は自分で顔が赤くなるのが分かるくらい恥ずかしかった。…けど嬉しかった。
カルマくんが喧嘩っ早いとか、私が心配だとか言うけど、みんな本当は認めてくれてるんだなって。
…今私が笑ってるのは、旅行が楽しみなのもあるけど、カルマくんが隣にいてくれるからだと思う。好きな人の傍に居られるって、幸せなことだから。

『カルマくんー…』
業「んー?」
『好きー』
業「!?//…俺も」

カルマくんの肩に頭を預けていた私からはカルマくんの顔は見えないけど、カルマくんも笑っていてくれたら嬉しい。


(…顔見えなくて良かった…。結花が急に可愛い事言うから…絶対顔赤くなってた…)byカルマ
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